安定の女難EXだね士郎くん!
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二日分はあるが。節約できるならするしかないので、食えそうなものを発見したらそちらを食している。
辺りに目を配りながらも適当に応じた。どうにか出来るならとっくにしてると思いながら。
「……令呪で抑えるぐらいだな。まあ英霊としての存在から来るものだから、一度発作を抑えるのが精々だろう。端的に言うと恒常的に抑えるのは無理だ」
「ですよねー。ぅぅぅ、シロウさんのお役に立ちたいのに……また足引っ張っちゃったらどうしよう……」
「根本的にどうにかしたいなら、カルデアの誰かさんみたいに英霊としての自分を放棄して、新たに別の人間として受肉してしまうしかないな。春がそれで『新撰組』だった事実が消えるでもなし、沖田春とかにでもなれば、春の死因だった肺結核も普通に治療できるしな」
「え!? シロウさんの時代では治るんですか!? この呪い!」
「治る。飲み薬で治療するもよし、アイリさん……カルデアの回復役のサーヴァントだな。彼女の宝具で治癒するもよしだろう」
「へぇ〜……なるほど……そんな手が……」
「……」
なんで乗り気なんですかね。英霊としての自分を放棄するとか普通は断じて否と言うところだぞ……。
「え? なんでですか? 英霊としての誇りなんか私にはありませんけど……。私の掲げた誠の旗は、宝具としては使えなくても、誠の字を失うわけでもありませんし。ぶっちゃけ心の持ち様です。それに英霊としての霊基を投げ捨てても、私の剣が劣化する事なんてありませんよ?」
だってこれ、スキルでも宝具でもありませんし。生前から使えてましたから、身体能力が落ちたところで使えなくなるわけではありません――と沖田。
言われてみれば確かに。身体能力が普通の女の子のそれになったとしても、それは生前のそれに戻るというだけで、礼装なりなんなりを持てば普通に今の沖田の技量のままでサーヴァントとだって張り合える。真剣に考えてみれば受肉は沖田的にはアリだ。病弱っぷりがないパーフェクト沖田とか最高ではなかろうか。
英霊のクラス別スキルとしての『気配遮断』が消えるのは痛いが、気配を断つぐらい俺でも出来るんだから生身の沖田にも可能だろう。縮地は技能だし、対魔力は元々ないようなもので、礼装で代用可能。考えれば考えるほどデメリットがなくなっていく。
生身になれば慣熟訓練などはしなくてはならないにしても、それが済めば無限縮地と連発解禁された三段突きが可能という事に……安定感も体力もグッと増えるとなれば……あれ? これはひょっとしたら名案なのでは……?
テキトーに口を動かしただけなのに、真剣にアリな気がして――
「シロウさんッ!」
――唐突に殺気を漲らせた沖田が、俺の腕を振りほどいて一瞬で馬上から飛び降り、飛来した短刀を弾き飛ばした。
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