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人理を守れ、エミヤさん!
幕間「女王の狂乱」
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なら勝てなくもない。でもそれは相手が単騎だったら。もしも光の御子に、あの女王の願いで聖杯による強化が入れば――そしてあのとんでもない変身宝具も併用されれば、この特異点に集う全てのサーヴァントを結集しないと勝てない。でもそれは不可能だ。色々と因果なサーヴァントばかりだからね。
 僕に出来るのは、時が満ちるまで彼が持ちこたえられるように協力する事。カルデアが来るまで不眠不休で働き続ける事。そんなバッドエンドは嫌いなんだ、最大限の助力を惜しまないよ。

 でもだ、光の御子を今、自由にさせちゃったら、それこそ勝機は限りなくゼロになってしまう。なので、仕方ないけど……僕は第七の方で滅茶苦茶忙しいけど、過労死しかねない重労働をしないといけない。
 本当は嫌なんだけどね。だってあの女王が荒ぶってしまいそうだし……コノートの女王、僕の苦手な魔女に似てるし……。でも仕方ない、それもこれもオモシロ、じゃなくてハッピーな結末のためだ。うんうん、彼ならなんとかしてくれるさ。信じてるよ。うん、信じてる。これはちょっとした信頼。信頼っていい言葉だ。

 僕は惑わしたクー・フーリンを眠らせる。夢の中なら僕は無敵だ。気づかれたら死ねるけど。
 そして、眠らせ続けて。夢の中で、彼が削ぎ落とされた英雄としての尊厳を、ゼロから構築する。なぁにやってやれない事はないはずさ。英雄作成は僕の専売特許だ。王様なんて名乗ってるし、元々は英雄だし、楽な仕事だよ。この部分だけは。
 狂える王を、(マガ)ツ獣を、可能な限り英雄に戻す。殺戮兵器には無用の誇りを取り戻させる。そうすれば彼は純粋ではいられない。マスターの彼も幾らかやり易くなるはずだ。そして眠らせ続ければ……まああんまり長くは無理だけど。彼にとって価千金の時間は稼げる。

 いやぁ、マーリンさんは大変だ。あっちでふらふらこっちでふらふら、ウルクの王様に怒られてしまいそうだよ。というかこの特異点、外部との時間の流れの差が激しすぎてキツい。やらなきゃなんない事が多すぎる。

 さて……そろそろ本腰を入れるかな。一瞬でも気を抜いたら狂王様に気づかれて、捻り潰されてしまいそうだ。細心の注意を払って……あ、やっぱそうなるか。
 ゴメンね、そっちは僕の管轄外なんだ。頑張ってくれマスターくん、流石のマーリンさんもこっちで手一杯だからね! 大丈夫、君ならやれるって信じてるから!

















 ……。

 …………。

 ………………。

 ……………………おかしい。

 クーちゃんが、帰ってこない。いつまで待っても、いつまで経っても、帰ってこない。
 今までそんな事は一度もなかった。何かがおかしいと気づくも、万が一の事は絶対有り得ない。
 だってクーちゃんは、私
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