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ある晴れた日に
260部分:その吹く風その十七
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その吹く風その十七

「あの子達確かにああした子達ですけれど」
「飲み食いだけなのよね」
 あくまでそれだけなのであった。
「やるのは。だから安心なのよ」
「はい」
「そのお酒がね。問題なのだけれど」
「この学校お酒にはかなり寛容ですけれど」
 町全体がである。酒というものに対してはこの町はとにかく寛容なのだ。そうした意味では酒飲みにとっては実に有り難い町である。
「それでも。度が過ぎていますけれど」
「そうなのよね。まあ釘は刺したわ」
「はい。ですが」
「効果はないわね」
 もうそれはわかっているのだった。だから今江夏先生は平気な顔であった。
「それよりもよ。早寝早起きよ」
「それですか」
「人参出しておいたし」
 その毎朝の特撮番組である。
「後は。勝手に起きて規則正しくやってくれるわ」
「やってくれますか」
「ああした子達に鞭は駄目よ」
 やっと本格的な教育の話になるのだった。
「もっとも鞭なんて振るうようじゃ教師としてあれだけれど」
「そうですね。鞭は」
 これに関しては田淵先生も同意であった。ぴしゃりと言うことは言うが鞭は振るわないのがこの二人の先生達なのだ。
「やっぱり。どうにも」
「それよりも人参よ。飴じゃなくてね」
「人参ですか」
「人参は食べると身体にいいから」
 こう言うのである。
「だから食べさせるのよ。あえてね」
「この場合の人参は」
「特撮番組よ」
「やっぱりそれですか」
 先程の流れは二人の間で反芻されたのだった。
「特撮ですか」
「子供じみてるかしら」
 江夏先生は腕を組んで考える顔になって言い出した。
「あの子達。特撮に釣られるっていうのも」
「別にそうじゃないんじゃないですか?」
 しかし田淵先生はそうではないと言う。
「それは」
「そうじゃないかしら」
「はい。私の主人も毎週観ていますし」
「そういえば私の主人も」
 江夏先生の家もそうなのだった。
「私はアニメだけれど」
「アニメと特撮じゃあまり違わないですよね」
「それ考えたら同じなのね」
「特撮の俳優さんもよくテレビに出ますし」
「多いからね」14
 江夏先生は今度はざっと思い浮かぶだけの特撮系の俳優を思い出すのだった。
「やっぱり」
「水嶋ヒロとか」
「最高に格好いいわね」
 どうやら江夏先生のタイプであるらしい。
「あと半田健人も」
「そうですよね。物凄く」
「ええ。そういうの考えたら特に子供じみてないわよね」
「そう思いますよ。とにかくこれで規則正しい生活をしれくれたらそれでいいですよね」
「そうなのよね。安いものよ」
 江夏先生はこうも言った。
「それで話が上手くいのならね」
「はい。それでです」
 田淵先生が笑顔になって言って
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