第1話
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地面に叩きつけられて気絶する、男。
振り返ると別の不良がポケットからナイフと取り出すと麻生に突き刺してくる。
しかし、何度も突き刺してくるがそれを簡単にかわしていく。
そして不良のナイフを人差し指と中指の間で挟む。
不良がそれに驚いている内に顎を打ち上げて気絶させる。
(あと一人・・・早く終わらせて寝るか。)
上条の方を見ると一人は何とか倒せたようで今は一対一で喧嘩している。
麻生の前にはもう一人の不良が立っている。
「なかなかやるみたいだな。
けどな・・・」
不良が掌を開けるとそこに風が集まっていく。
「風力使い・・・お前、能力者か。」
「そうさ、見たところお前は無能力者みたいだしな。
どうだ、金を渡したら骨一本で許してやるが?」
不良は掌に集まっている風で脅しをかける。
しかし、麻生は驚きもせず逆に呆れた表情をする。
「はぁ〜、たかが風をちょっと操れるからっていい気になって。」
「なんだと!?」
「それを見る限りだいたいレベル3って所か。
その力で不良達の従えて何が楽しいのか・・・・俺には理解できないね。」
憐みの表情で言う、麻生。
その言葉が頭にきたのか不良は、掌に集まった風を麻生に向けて放つ。
しかし、風は麻生に当たる直前にその風がいきなり止んだ。
「なっ!?・・ど、どうなっているんだ!?」
不良は何度も風を麻生に向けて放つが直前に風は勢いの無くし吹き止んでしまう。
「お前も能力者か!!」
「そんな事どうでもいいだろう。」
そう言い三メートル離れている不良に一気に近づき、左足で踏み込むと同時に左手で不良のみぞを殴る。
くの字に折れると不良はみぞをおさえる。
「て、てめぇ・・・何者・・だ。」
不良は消えそうな意識で麻生に問いかける。
「ただの通りすがりの一般人Aだ。」
麻生がそう答えてるのを聞いて不良の意識が途切れる。
麻生が上条の方を見るとちょうど上条も相手を倒したようだ。
「麻生って結構強いんだな。」
無傷おろか服に一つも汚れがないのを見て言う。
「たまたま俺の相手が弱かっただけだ。」
絡まれた学生の男はどうやら逃げたようだ。
麻生はそれを確認して自分の鞄を背負いすたすたと歩く。
それを追うように上条もついて帰るのだった。
部屋の前で上条と別れすぐにベットに倒れて麻生は睡魔が来て眠る。
二時間くらい寝ているとパチッと目を開ける。
そのまま立ち上がり冷蔵庫にある水を飲みながら時計を見る。
(六時か・・・・暇だし散歩するか。)
麻生は制服を脱ぐと黒のズボン、黒のシャツ、そして黒の袖のないコートを着て鍵も閉めずに外に出かける。
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