卑怯卑劣は褒め言葉だねジャックさん!
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れる、触れられる』というガバガバっぷりらしいじゃないか。まあお前とラーマの場合、同時に召喚されてはじめて使える方法だがな」
「……」
シータは絶句していた。彼女に魔術の知識がない故の、まさに想像の埒外にある『呪いの騙し方』で、青天の霹靂なのだろう。
年相応の少女にしか見えないから、なんだか悪い大人の世界のやり方を見せてしまったような罪悪感が湧いてきそうである。俺からすれば、どうして気づかなかったのかと不思議になるレベルだが。現代の魔術師なら割と簡単に思い付きそうなやり方なのに。
「で、どうする? 俺の味方になってくれるなら、この短剣をお前に譲ろう」
「なります。だからそれ、ください」
即答だった。
恋に殉じ、愛を抱く王女は、最愛の人に再会できるなら、迷う必要はないとばかりに果断だった。
改めて握手を交わし、サーヴァントの契約を結ぶ。アーチャーのサーヴァント、シータが仲間になった。
『ラーマ』としての彼女の性能を、マスターとしての権限で閲覧し。また彼女から出来る事を聞く。
ラーマの性能を持つが、戦う術に疎い彼女は固定砲台として運用するのがいい。インドにありがちな大火力で薙ぎ払い、沖田で奇襲し、俺が合わせる。一気に戦術の幅と、対応できる状況が増した事を確信して。
俺は感じた。
流れだ。今まで逆風に次ぐ逆風、逆境の中でもがき苦しんでいたのが――今、確実に流れが変わったのを感じた。
シータと出会えた。そして、打算的で悪いが、シータがいるなら、そのシータと再会できたとなれば、あのラーマーヤナの主人公、大英雄ラーマも味方になってくれるだろう。
流れが、確かに。風が――追い風に変わりつつあるのを、感じる。俺は、静かに笑みを浮かべた。
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