卑怯卑劣は褒め言葉だねジャックさん!
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霊枠を共有する』「ラーマとシータは同時に召喚できない』という制約を課せられるようだ。通常の聖杯戦争では巡り会える可能性は完全に零。人理焼却の異常事態下でのみ例外は有り得るが、それでも決して出逢えないのだという。
「……なるほど。だがいいものだな」
「……?」
「その呪いは互いが互いを愛する限り続くんだろう? 離別の呪いってのは、つまるところ不変の愛の証明であるとも言える。ロマンチックでいいじゃないか」
「……」
「マスター、ちょっとそれは流石に無神経じゃあ……」
シータはなんとも言えない表情となった。愛の証明と言われて悪い気はしないが、それでも呑み込めないのだろう。休んでいた沖田だが、傍に来れはする。俺の言葉に渋い顔をする沖田に俺は肩を竦めた。
「シータ、取引をしよう」
「取引……ですか?」
「ああ。俺は多分、その呪いをなんとか出来るぞ」
「!!」
王女は目を見開く。咄嗟に反応を返せないほどの驚愕が彼女を襲っていた。
「等価交換、ギブ&テイク、呼び方はなんでもいい。俺の仲間となり『フィランソロピー』を守ってくれるなら、俺はその『離別の呪い』をなんとかしよう。流石に座にいる本体はどうしようもないが、この特異点内でなら会えるようにする事は出来る」
「それは! ……本当ですか?」
「ああ」
『破戒すべき全ての符』は無駄だ。あれは対魔術宝具であり、結ばれた契約や魔力によって構築された生命の初期化、魔術で強化された物体を初期値に戻す類いのもの。俺にはどうしようもない。担い手本人なら呪いを契約の一種だと拡大解釈して解除出来るかもしれないが、俺は魔術師としては雑魚である。メディアのような大魔女でもなければ成し得ない。
そして『破魔の紅薔薇』も無駄だ。あれは宝具殺しの宝具。魔力で構成されたもの、構築中の術式の破壊は出来るが、結実した魔術そのものを破壊する事は出来ない。更に言えば俺の投影した剣にも効果はない。投影宝具は『完成して其処に在る』モノ故に、破壊対象とはならないのだ。よって完結している呪いには、これもまた無力である。
ではどうするか。
「どうする? シータ、俺と契約してくれるなら、なんとかしよう」
「……その前に聞かせてください。どうやってこの呪いを打ち消すんですか?」
「打ち消しはしないさ」
「?」
恐らく、というよりも確実にだが。俺が思い当たるぐらいなのだから、正統な魔術師なら誰でも同じ発想に至るだろう。別に勿体ぶる必要はない。
簡単に講義することにした。
「いいか? 呪いというのは、縛りだ。ある意味で法律みたいなものだよ」
「……そう、なんでしょうか」
「そうなんだ。あれをしてはいけない、これに抵触する事は赦されない……そういった形に強制力を加えたのが呪いと
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