第二章
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「だからね」
「それでよね」
「清里愛ちゃんも将来免許取るし」
「何時かは自動車運転するのね」
「あと就職も」
「まあお父さんやお兄ちゃんの会社に入らせてもらうのは」
それはとだ、微妙な顔で言う清里愛だった。
「コネに思われるかも知れないし」
「この学校八条グループに就職する人凄いけれど」
「それでもね」
「お父さんの会社に入るのは」
「やっぱりなのね」
「流石にコネって思われるから」
父が会社の幹部だけにだ。
「あまりね」
「八条自動車に入ること自体は」
「それはなのね」
「あまり、なのね」
「ひいてるのね」
「そう、ちょっとね」
こう言うのだった。
「けれど八条グループの企業にはね」
「やっぱり入ることになる?」
「それ言うと私達もだけれど」
「そうなる?」
「そうかも。けれど就職先は」
ここでまた大地を見た清里愛だった。
「まあね」
「まあ?」
「まあっていうと」
「いえ、何でもないわ」
ここから先は言わない清里愛だった、だが。
彼女には思うところがあった、そしてその思いは誰にも言えないことに悩んでいた。それで余計に友人達に言うのだった。
ドイツのベンツのカタログを学校に持ってきて皆に見せながらこう言うのだった。
「日本じゃ最近まで評判悪かったのよね」
「あれよね、ヤクザ屋さんね」
「ヤクザ屋さんが乗ってたからね」
「この神戸ってあそこの本拠地だしね」
「余計によね」
「ええ、ヤクザ屋さん絡みでね」
実際にと言う清里愛だった。
「どうしてもね」
「日本じゃ最近まで評判よくなかったけれど」
「それでもいい車よね」
「そうよね」
「そうなのよ、スポーツカーだってね」
カタログのそのコーナーを開いて言った。
「この通りね」
「いいわよね」
「見てもね」
「そうよね」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「外国の車だから高いけれど」
「いいのね」
「性能自体は」
「しかも頑丈だし」
「そう思うわ。まあやっぱり私としては」
ここでくすりと笑って言う清里愛だった、その笑顔は実に少女らしい。
「イチ押しはね」
「国産車よね」
「日本の車よね」
「それも何といっても」
「八条自動車よ」
この企業の車だというのだ。
「本当にね」
「そうよね」
「やっぱり国産車よね」
「徳に八条自動車」
「この企業の車ね」
「ええ、そうよ」
まさにというのだ、だが。
ここで大地の声が聞こえた、大地はというと。
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