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孤立主義の真意
第一章
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               孤立主義の真意
 アメリカ合衆国は当時建国間もない国であった、その為やるべきことは非常に多くイギリスとの二度目の戦争も何とか勝っても問題は山積みだった。
 だがその中で大西洋の向こうの欧州各国は当時のアメリカ大統領の声明に対して非常に強い違和感を感じた。
「アメリカ大陸に介入するな?」
「そんなつもりは最初からないぞ」
「そっちはそっちでやってくれ」
「アメリカ大陸のことなぞ知るものか」
「もうあの国のことは知らない」
「我が国はカナダがあるが」
 イギリス人達は自分達の植民地のことを思った。
「別にそれ以外はいい」
「もうアメリカに手出しなぞするものか」
「カナダも最近自治に任せている位だ」
「そのうちあの国も独立するか」
「するならすればいい」
「今はこちらも大変だからな」
 ナポレオン率いるフランスとの戦いがあった、その戦後処理でイギリスも必死だったのだ。それは他の欧州各国も同じだ。
 そしてだ、中南米に多くの植民地を持つスベインもだ」
「もうな」
「植民地が独立しそうだな」
「それも仕方ないか」
「最近持て余しているしな」
「独立を言い出したらどうしようもないぞ」
「今の我が国に抑える力はない」
 今のスペインにはというのだ。
「それならな」
「アメリカ大陸はもういい」
「キューバやプエルトリコ位か」
「あの辺りを抑えられるとな」
「それでいいな」
 最早世界帝国ではなくやはりナポレオンとの戦いで疲弊していた、だから彼等もアメリカの今回の表明にはどうも思わなかった。
 兎角だ、この発言は欧州の者達には奇異なものだった。
「アメリカは欧州に介入しなくてか」
「欧州もアメリカには介入するな、か」
「あの大陸に」
「相互不干渉か」
「そんなことをわざわざ言うのか」
「どうして言ったのだ」
 皆首を傾げさせた、しかし。
 ふとだ、あるイギリス海軍の士官が地球儀を観ながら同僚に言った。
「アメリカが西に進むとな」
「ああ、このまま西に拡大するとな」
 同僚も述べた。
「西海岸まで到達した時は」
「相当な領土になっているぞ」
「間違いなくな」
「アメリカは将来凄い国になるかもな」
「今も植民地買ったり割譲させたりしているしな」
 初期の十三州の領土から既にその時の何杯もの領地を持っている。
「そこからさらにか」
「そうなるとな」
「アメリカは凄い国になるか」
「西に進んでいくなら」
 彼等はこうも思った、だが彼等が思ったのはこここまでだった。
「そんな強い国と対するか」
「これからそうなるかも知れないか」
「注意が必要だな」
「その時はな」
 イギリス海軍の士官達は地球儀を観つつこんな話をした、とにかくアメリカは今回の
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