第一章
[2]次話
Labyrinth
私の友人の趣味は迷路を解くことだ、学校でも時間があると迷路の本をわざわざ買ってそれで解いている。
今の二限目の後の休み時間もそうしていて私は彼女の前の席に座って迷路を解くのを見ながら尋ねた。
「どんな調子?」
「難しいのを買ったからね」
だからだと、友達は私に笑って答えた。
「やりがいがあるわ」
「それは何よりね」
「やっぱり迷路を解くことはね」
「頭の運動になって」
「しかも楽しいからね」
「いいのね」
「お年寄りにもお勧めよ」
笑ってこうも言ってきた。
「これはね」
「ああ、アルツハイマー防止ね」
「その為にもね」
「いいのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「皆やるきよ」
「あんたみたいになのね」
「幼稚園の頃からやっててね」
「高校生になってもなのね」
「こうしてやってるのよ」
「そうなのね」
「本のを解くのも好きだけれど」
それだけではない、この娘の迷路好きは本物だ。
「ゲームでもね」
「RPGにダンジョンは付きものだから」
「よくやるわ、3Dタイプもね」
「本当に迷路好きね」
「だから頭使って苦労して先に進んで」
迷ったりもしながらだ、RPGだと敵が出て来るし罠だってあるしその分だけややこしいことになる。
「それでなのね」
「そう、ゴールすることがね」
「好きなのよね」
「大好きよ、本当に皆でして」
そうしてというのだ。
「頭の運動して頭をよくすればいいのよ」
「常に頭を動かしていると」
「そう、その分ね」
「頭がよくなるっていうわね」
「あんたもしてみたら?」
「私はいいわよ」
部活の陸上部で身体を動かしたり本を読む方が好きだ、今は赤毛のアンを読んでそうして楽しんでいる。
「迷路はね」
「そうなのね」
「けれどあんたは相変わらずよね」
「今度はね」
「今度は?」
「テーマパークに行って」
そうしてというのだ。
「迷路に行くわ」
「そういえば何か面白い迷路が出来たテーマパークあったわね」
私達が住んでいる場所の近くにだ、近くといっても関東にいるともうテーマパークも何処でも電車ですぐだ。
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