二十三 取り違え
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断刀の首斬り包丁・大刀の鮫肌・双刀のヒラメカレイ・鈍刀の兜割・長刀の縫い針・爆刀の飛沫・雷刀の牙。
特殊な能力を宿す七本の忍び刀。
それを使いこなす実力者に尊敬と畏怖を込められて贈られる称号を“忍刀七人衆”という。
故に忍刀を継承できる事は名誉なことであるが、相次ぐ内乱で所有者が刀ごと離反してしまう例が続き、現在は断刀の首斬り包丁・大刀の鮫肌・双刀のヒラメカレイ以外の名刀は所在不明となっている。
しかしながら、それを良しとしない兄弟がいた。
【霧の忍刀七人衆】の刀を全て集め、新たな七人衆を結成し、そのリーダーとなることを夢見る弟と、忍刀を継承することを夢見る兄。
日々の過酷な任務故に【霧の忍刀七人衆】全ての刀を使いこなすほどの腕前となった兄だが、彼もまた、相次ぐ戦乱で失われた刀同様、消息不明の身となっている。
失われた鈍刀の兜割・長刀の縫い針・爆刀の飛沫・雷刀の牙を探していた半ばで、弟の前から消え失せた兄。
だから弟は【霧の忍刀七人衆】の忍刀を集めることを決意した。
そうすれば、きっと―――
「兄の、鬼灯満月を見つけられる」
いつになく真面目な鬼灯水月の真剣な眼差しを受け、再不斬はふんと鼻を鳴らした。
水月の熱心な視線から【霧の忍刀七人衆】の忍刀の一つたる首切り包丁を遠ざける。
「おめーの兄ちゃんが『根』の水柱に囚われてるって?なんでそんな面倒なことになってんだよ」
「たぶん…忍び刀を集めているところでダンゾウに捕まったのか…」
再不斬の首切り包丁に鬼鮫の鮫肌、それに霧隠れが唯一所有している双刀『ヒラメカレイ』を除けば、『霧の忍刀七人衆』の忍び刀は幻のものとなっている。
その幻たる名刀を集めていた矢先に、ダンゾウに捕まったのではないか、と推測を語る水月に、話をそれとなく聞いていた香燐が横から口を挟んだ。
「もしくは既に収集していたダンゾウの許に忍び込んだか…」
「んなことわっかんねぇだろ!!」
憤慨する水月だが、その可能性は無きにしも非ずなので、その眼は泳いでいる。
自身の身体を液体化させる【水化の術】は敵のアジトなどへの潜入に長けている。
水月と同じく満月も同じ術を扱えるので、『霧の忍刀七人衆』の名刀を集めていたダンゾウの組織たる【根】に忍び込んだということも大いに考えられる。
香燐と水月がギャアギャア騒ぎ始め、話が脱線し始めたので、ナルトはぱんっと大きく手を打った。
ハッと顔をあげる水月と気まずげに口を噤んだ香燐を確認し、ナルトは再不斬に視線をやる。
ナルトの視線を受けて、代わりに口を開いた再不斬は「だったら、」と苛立たしげに頭を掻いた。
「何故生かしておく必要がある?ダンゾウが盗んだにしろ、ダンゾウから盗もう
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