第二章
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お好み焼きもたこ焼きも食べた、その後で二人で道頓堀の岸辺の場所で休みながら満足してだった。二人は難波から西淀川の自分達が住んでいる団地の方に向かったが。
淀川の傍で休憩することにした、もう夕方も夜に近くなってきているその中でそうした。そこでだった。
由佳は満腹していることに満足しつつ隣に座っている智子に言った。
「ねえ、今年の阪神どう思う?」
「正直に言っていい?」
智子は自分の隣に座っている由佳に返した。
「はっきりと」
「ええ、多分私と同じこと思ってるわよね」
「そうよね、もうね」
「打たないのはいつもで」
由佳はこう言った。
「それでね」
「肝心のピッチャーも」
今度は智子が言った。
「今年はね」
「調子悪くて」
「打たれまくって」
「もう何もかもが悪いわね」
「カープは調子よくなってきてるのに」
阪神と同じく調子が悪かったのにというのだ。
「阪神はね」
「昨日負けたしね」
「今年は最下位嫌よね」
「頑張って欲しいわね」
「巨人が弱かったらいいのにね」
「本当にね」
「全くじゃ」
ここで川の方から声がした。
「わしもそう思う」
「何、この声」
「お年寄りの声じゃない」
「お爺さんいるの?」
「何処にもいないけれど」
「ここじゃ」
この声と共にだった、二人の前にだ。
一匹のウミガメが出て来た、甲羅は一メートル位ある。だが普通のウミガメではなくその頭はというと。
老人、それも僧侶のものだった。二人はその明らかに普通の生きものでない存在を見てそのうえで言った。
「海和尚よね」
「そうよね」
「誰かって思ったら」
「妖怪さんだったのね」
「それだけか」
妖怪は自分に驚かない二人に以外といった顔で返した。
「驚かんのか」
「いや、驚くって」
「妖怪さんには慣れてるから」
二人はその妖怪に普通の顔で返した。
「私達世界一の妖怪スポットにいたから」
「大学そっちだったから」
「私達も妖怪や幽霊結構みたしね」
「大学でね」
「ちょっと大学に夜までいたら」
「幽霊とかも普通にいたし」
「何じゃ、慣れておったのか」
海和尚は二人の主婦の言葉を聞いて納得した。
「慣れてると驚かんか」
「ええ、別にね」
「そんなものでしょ」
「それに妖怪さんでも変なことしないでしょ」
「痴漢や強盗と違って」
「悪いことはせん」
海和尚もそれはと答えた。
「そんな妖怪ではない」
「そうよね、ただ」
ここで由佳は妖怪に尋ねた。
「貴方海和尚さんでしょ」
「如何にも」
その通りだとだ、妖怪は由佳に答えた。
「見ての通りな」
「そうよね、だったら」
「何でここにいるの?」
智子も妖怪に尋ねた。
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