第五十一話 お餅つきその八
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「そこは」
「そう思うよ」
「そうなんですか」
「うん、ただ阿波野君はいい子だから」
それでというのです、石本さんも。
「大事にするんだよ」
「大事にですか」
「そう、しんにお肉を巻けばね」
教祖伝でも書かれていることをお話してくれました、初代真柱様について教祖が言われたことです。
「太くなるね」
「はい、しっかりしますね」
「だからだよ」
「阿波野君もですね」
「育てていけば」
周りもそうすればというのです。
「絶対にいい子になるからね」
「そうですね、根はしっかりしてますから」
このことは私もわかります。
「あのまま育てていくべきですね」
「そうするんだよ」
「皆で、ですね」
「特に千里ちゃんがね」
「先輩ですからね」
私はこのことを強く実感しました、もうすぐ卒業とはいえ同じ天理高校の先輩後輩の間柄でしかも同じ大教会所属ですから。
「頑張らないと」
「プラスアルファだよ」
「プラス、ですか」
「そう、そこに加えてだよ」
先輩として以外にというのです。
「阿波野君に何でも教えてあげてね」
「先輩として以外にも」
「いいね」
「よくわからないんですが」
石本さんの言われていることがです。
「それでもですか」
「そう、頑張ってね」
「はい」
わからないまま答えました、そしてです。
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