第五十一話 お餅つきその七
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「ああした後輩の子がいてくれると嬉しいね」
「そこまでなんですか」
「そこまでだよ、本当にね」
石本さんはさらにお話しました。
「ああした子が多くなるとおみちももっともっとよくなるよ」
「そこまでなんですね」
「うん、将来有望だよ。例えばね」
ここでこうも言った石本さんでした。
「千里ちゃんの教会に入ったらね」
「うちにですか」
「いいんじゃないかな」
「あの、この教会に入りますと」
私は石本さんに怪訝なお顔になって応えました。
「うちとしては大歓迎ですけれど」
「あっ、そうなんだ」
「はい、住み込みの方が来てくれるなら」
それならです。
「凄くいいことですから」
「住み込みって?」
「そこまでして伏せ込んでくれるなら」
阿波野君にとってとてもいいことです、それにうちの教会も男手が来てくれるなら本当に有り難いです。
「嬉しいですから」
「そこでそう言うの?」
「あれっ、違いますか?」
「いや、他に思うことない?」
石本さんは私にびっくりしたみたいなお顔で言ってきました。
「他には」
「あっ、阿波野君平野の子ですけれど」
教会の系列で言うとです。
「あっちの教会の信者さんの息子さんでしたね」
「だから伏せ込むなら平野っていうんだ」
「そうですよね、ですからうちに来るのは同じ大教会でも」
「そういう問題じゃないと思うけれど」
「違います?」
どう違うのか。私には全くわかりませんでした。
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