第九十一話 内政の者達その五
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「メロンやジャガイモ、玉蜀黍を栽培してもらって」
「わたくし達の世界みたいに」
「参考にしてるよ、実際に」
「わたくし達が起きた世界がサンプルね」
「手本だね。ただこの世界は広いから」
「そのことも考えて」
「やっていってるよ」
農政、それをというのだ。
「太宰さんとお話してね」
「そうなのね」
「僕も考えてるよ。トマトだってね」
今二人が食べているこの野菜もというのだ。
「江戸時代とかの日本じゃなかったし」
「あっても食べなかったわね」
「けれどこの世界じゃあるし食べてるから」
だからだというのだ。
「大々的にね」
「畑も作って」
トマトのそれをというのだ。
「そうしてね」
「やっていってるのね」
「そうなんだ、とにかくね」
「皆がお腹一杯食べられる」
「そうした農業を考えているよ」
「志賀君もそうなのね」
「うん、それとね」
さらに話す志賀だった。
「美味しいものを他の地域にも送って」
「流通ね」
「それのことはね」
「もう国全体の政ね」
「そうなんだよね」
「そこは他の政の分野ね」
亜紀も言うのだった。
「本当に。お金だって必要だし」
「そういえば今の日本財政政策も充実してきたね」
「そうよね、かなりね」
「石川君が入ってね」
「あの子が財政してくれてるから」
「よくなってきてるよ」
志賀は亜紀に話した、そしてだった。
志賀は亜紀との話の後でその石川がいる勘定を担当する部署に行った、そこで石川と農業方面の財政の話をした。すると石川はこう彼に言った。
「幸い今は財政の余裕があって」
「それじゃあ」
「農業にも回せるよ」
余裕のある分をというのだ。
「他の分野にもだけれど」
「それはよかったよ」
「うん、ただ大事に使ってね」
このことはだ、石川は釘を指した。
「お金は無限じゃないから」
「湯水みたいに使ったら」
「すぐになくなるよ」
それこそというのだ。
「そうなるからね」
「だからだね」
「大事にね」
「使わせてもらうよ」
「そうしてね、今日本の財政は内政の方にかなり向いているんだ」
そうした状況になっているというのだ。
「太宰さんのお考えでね」
「軍事費優先じゃないんだ」
「そっちにかなり投入しているけれど」
それは事実だが、というのだ。
「それだけじゃないから」
「内政にもだね」
「内政に八割はね」
「八割もなんだ」
「宰相さんが言うには二割でもね」
軍事に向ける予算はというのだ。
「多いって言ってるよ」
「多いんだ、それで」
「出来れば一割にしたいって言っておられるよ」
「日本の予算の中で」
「けれどまだ日本は戦わないといけないから」
だからだというのだ。
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