243部分:オレンジは花の香りその二十六
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れはね。ないわ」
「ないか」
「あの教会の人達皆いい人達だし」
未晴はこうも正道に話した。二人は夜の道を今も静かに並んで歩いている。
「そういうことではあれこれ言わないわ」
「そうか」
「そうよ。それに教会の人が出て来ても」
「その場合はどうなるんだ?」
「私がお話するわ。私もあの教会にはよく出入りしてるし」
このことも正道に話すのだった。
「だからね。それでね」
「そういえばおたくも」
「咲だけじゃないの。私達皆なの」
「だったよな。六人でいつもあの教会に通ってるんだったよな」
「そうなの。凄く居心地もよくて。図々しいけれど」
「あいつ等はそうじゃないのか?」
五人に対しては、と言った。
「あの連中はな。図々しいっていうかな」
「別にそういうのじゃないけれど」
「まあ能天気だからな」
またこの言葉を出すのだった。
「あそこでまた入り浸って菓子でも食ってるんだな」
「それはそうだけれど」
「やっぱりな。そんなことだろうと思ったさ」
まさに予想通りであった。
「それでだよ」
「ええ」
「おたくも出入りしてるってことは」
「勿論か御馴染みよ」
結論はそれであった。
「教会長さんとも奥さんとも」
「娘さん達ともかよ」
「そうなの」
こう彼に話した。
「だからね。私がお話したら」
「そうか」
これで事情がわかった正道だった。
「じゃあ大丈夫なんだな」
「まあ見るだけだし」
未晴はこうも言った。
「大丈夫よ。それはね」
「じゃあ行くか」
ここまで話してそのうえで教会に足を向けた。そうして二人で夜の紫陽花を楽しむのだった。二人はこうして交際をはじめたのだった。
オレンジは花の香り 完
2009・3・30
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