禁句に気をつけろジャックさん!
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じゃないですか! なんで逃げるんですか?!」
「馬鹿野郎! 仕掛けたら笑いなんかすぐ引っ込むに決まってるだろ! いいか、こういう時は逃げるが一番だ!」
「女心を擽って逃げるとかいっぺん死んだ方がいいですよマスター!」
「言ってろ! 恐いってのは本当なんだよ!」
「ま、待て――! は、はは、だ、ダメだ……クッ、卑劣なァ……!」
ペンテシレイアは慌てて追い掛けようとしてくるも間を外され、駆け出すのが遅れた。
単騎での追撃は不利。そう判断できるだけに、ペンテシレイアは笑えるやら腹立たしいやら、軍勢を集めてから進軍する事にしたらしい。絶対に逃がさんと、ペンテシレイアは笑いながらも怒気を発している。
アンドロマケが疾走する。強化した脚力で風と一体となったかのように。ペンテシレイアの姿が完全に遠ざかって見えなくなるまで全速力で、以降は脚を緩めさせるもずっと走り続ける。
しかしアンドロマケはいい馬だが、名馬ではない。それに生身だ。延々と走り続けられるものではない。猛追してくるケルト戦士団と、その先頭を走るペンテシレイアが遠くに見え始めていた。大量の剣を地面にばらまく。それが爆発すると知っているはず、ならば避けるなりして間を潰せる。
しかしケルト戦士団は走る脚を緩めない。それに目を剥きつつ剣を炸裂させるも、ペンテシレイアは難なく跳躍して躱し、ケルト戦士団は恐れる素振りもなく爆撃の中を駆け抜けた。犠牲は想定していたよりも遥かに少ない。宝具の炸裂でもなければ、不意打ちしない限り殺せないという事だ。
舌打ちしてアンドロマケを急がせる。駿馬ではない彼女だがよく走った。しかし追い付かれる。何時間も走り通す頃には、距離を五百まで縮められていた。
しかし砦が見えている。そこまで来ると、俺は砦の城壁の上にいたカーターに叫んだ。
「カーター! 迎撃の用意は出来ているか!?」
「は! 万端に整えてあります!」
「門を開けろ!」
「了解ッ」
城門が開かれる。火砲が発達して以来、城門や城壁はなんら意味を成さなくなっている故に、その壁や門は粗末なものだ。しかし最低限の壁さえあれば砦には上等である。
砦に駆け込み、門を閉めさせる。そのままアンドロマケに乗ったまま階段を駆け登り城壁の上に着いた。配置につき、銃を構えて指示を待つ兵士達に告げる。
「撃ち方構え! 手当たり次第に撃ちまくれッ!」
既に敵兵は射程圏内。銃声が轟く。俺は多数の剣弾を投影して次々と射出した。
銃弾と剣弾の雨だ。それが敵兵士に着弾していく。双剣銃を投影して両手でも射撃を加える。近日最後と思いたい無茶な投影をする。金剛杵を四つ虚空に投影してそのまま投射した。最も敵の密集している地点を目掛けて。暴力的なまでの爆撃がケルト戦士を多数吹き飛ばした。
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