挨拶代わりだねジャックさん!
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と抉り貫き周囲を纏めて殺傷しながら進む。しかし百を殺した辺りでケルト戦士らは驚異の武威を発揮した。ある程度威力が死んだのを見て取るや、数人掛かりで楯を寄せ集め、螺旋の剣弾を上空に逸らしたのだ。瞬間、螺旋剣が自壊し、莫大な魔力を秘めた爆発を起こす。それは多数の戦士を巻き込んで、軍勢に風穴を空けた。
ペンテシレイアは『赤原猟犬』の五回目の迎撃で業を煮やし、神性を呼び起こした。赤く光る瞳、黒く染まる眼球。増幅した怪力にものを言わせ、鉄爪を振りかざし渾身の一撃で魔剣を粉砕する――寸前。ペンテシレイアは本能的に飛び退いた。爆光。
「がぁぁァァアアア――ッッッ!!」
螺旋剣の雑な射撃とは違い、赤原猟犬に狙いを絞っていた男はペンテシレイアが本気で迎撃しようとしたのを見て取るなり、即座に投影宝具を自壊させたのだ。
しかしペンテシレイアの回避は間に合った。げに恐ろしきは闘争の化身足る神の血を引く女王。間に合わないはずの回避を間に合わせ、全身に壮絶な火傷を与えた。幼げな美貌は激痛に歪む。しかしペンテシレイアは血の混じった唾を地に吐き捨て、寧ろ戦意を更に高める。よくもやってくれた、次はこちらの番だ。そんな貌。
宝具の投射にはそれなり以上の溜めが必要なのは分かった。ならば射たれる前に接近するまでの事。軍は進撃している。その後を追うようにペンテシレイアも駆け始め――その優れた眼力が異常事態を察知した。
河の水が途絶えている。
河が何かに塞き止められているかのような……。ぬかるんだ土の見える河の跡に男は移動し、悠然と構えて戦士団の接近を待ち構えている。ペンテシレイアは激怒した。ケルト戦士の余りの能無しさに。報告ぐらいしろ馬鹿者どもが! 罵倒して即座に離れる。所詮は傀儡、元々低い知能がコノートの女王に乱造されて猿になったか!
「壊れた幻想」
爆発は、男の後方から。河の流れを無理矢理塞き止めていた三本の『虚・千山斬り拓く翠の地平』が破裂したのだ。
それによって濁流が押し寄せる。ペンテシレイアは目を見開いた。余りにも水流が激しい。ほんの数十秒程度、塞き止められていただけの濁流とは思えない。水の流れを変える某かの仕掛けがあったのか。
無数の宝具を惜しみ無く炸裂させているのだ。それにあの螺旋剣は以前も見た。という事は、宝具を生み出す異能をあの男は持っていると見て良い。ならば、水の流れを変える程度の宝具、生み出しても不思議ではなかった。
男は素早く離脱していく。しかし下手に数の多い戦士達は思うように逃れられず、結果として濁流に呑まれてしまった。荒れ狂う河の流れに、男は次々と剣の宝具を撃ち込んでいく。そしてそれがケルト戦士らの方へ流れていくのを見計らって、全てを起爆した。
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