挨拶代わりだねジャックさん!
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だ金色の、鷹の眼光。浅い夜の闇に在ってなお爛々と光っているようにも魅せる気迫。単騎で万の軍に相対し、なお劣るものかと放たれる覇気。
「はは、ハハハハハハ! なるほど、そうか。そう来るか――楯構え! 進めッッッ!」
男が番えるのは大剣のような漆黒の矢。爆発的に高まる赤い魔力は魔剣のそれ。ペンテシレイアはそれが己を照準していると確信した。
心底愉快だった。人間の身で宝具を使う、それはいい。しかし如何なる算段があるかは知らないが、単騎で万軍に対峙する胆力は見上げたものだ。それでこそ英雄、一度はこの身を下した男。生前ならば種を絞ってやるのも考えたかもしれない。生憎と生前は自身に釣り合う種と巡り合った事はないが……ああ、それは今はどうでもいい。
胸が踊る。戦いとはそうでなければ。だが女剣士の奇襲は二度と通じんぞ、と口の中で呟く。軍略もまたペンテシレイアの力だ。吼える、軍神咆哮。傀儡どもを鼓舞する為ではない、ひとえに沸騰せんばかりに熱される、この血の猛りを抑える為に。
男は進撃してくる五千の戦士団、その迫力に気圧されもせず狙いを絞り、定め、そして魔剣を放つ。
「――赤原猟犬」
超速で飛来する魔剣。ペンテシレイアはにやりと嗤う。ハッ! 気合いを込めて鉄球を振り切り、魔剣の軌道を逸らした。後方に弾かれたそれにアマゾネスの猛き女王は怪訝さを抱く。いつぞやのように、炸裂させなかった? 身構えてはいたのだが……。
しかし次の瞬間、後方で反転した魔剣が再度ペンテシレイアに襲い掛かる。僅差で気づいたペンテシレイアは反転し、腰の剣を抜き放つや弾き飛ばした。剛力を誇る女王の腕が痺れ、剣に皹が入り、取り落としてしまう。
それは魔剣フルンディング。射手が狙い続ける限りいつまでも襲い掛かり続ける呪いのそれ。片腕では弾くには至らない、生半可な迎撃では止められない。ペンテシレイアは舌打ちした。唸りを上げて襲い掛かって来る魔剣を両手の鉄爪で受け流した。体の芯まで痺れるかのような威力。男が呟く。投影開始と。――河の流れが変わったのに、魔剣に狙われているペンテシレイアは気づけない。
男は第二射に移る。あらかじめ地面に突き刺していた螺旋状の剣を抜き取り、それを弓に番えた。その間もずっとペンテシレイアだけを見ている。女王だけを狙っている。故に狙いは雑で良い。ペンテシレイアは三?目を弾き返した。そしてそのまま指令を発する。
「進め! 距離を詰め、斬り潰せ!」
元より戦士らは突き進んでいた。丸楯を構え、弓兵を殺さんと。戦士らは天を衝かんばかりの気勢を発し雄叫びを上げている。
男は意にも介さず螺旋剣を弓に番え、放つ。「偽・螺旋剣」と真名を解放して。
空間を捻切りながら飛翔する剣弾。楯を構えた戦士らを、その楯ご
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