終幕:虹が晴れる時
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夏「それじゃ、私、今からお弁当の準備をします☆」
時崎「え!?」
七夏「列車の中でどうぞです☆」
時崎「・・・ありがとう!」
最後まで気遣ってくれる七夏ちゃん。七夏ちゃんが喜んでくれる事が他にないだろうか?
七夏「柚樹さんは、ここで小説の続き、読んでいますか?」
七夏ちゃんのお部屋に俺がひとりで居る事を、七夏ちゃんは何とも思わないのだろうか?
時崎「いや、俺も一緒に降りるよ! 女の子のお部屋に俺ひとりっていうのは・・・」
七夏「くすっ☆ 柚樹さん、前に七夏の看病をしてくれました☆」
時崎「え!?」
七夏「その時、私、眠ってましたから・・・」
時崎「あ、ああ。そうだったね」
七夏「だから、柚樹さん、七夏のお部屋にひとりでも大丈夫です☆」
時崎「!?」
つまり、七夏ちゃんのお部屋に俺ひとりで居ても、部屋を詮索される事はないと思ってくれているという事か。確かに勝手に詮索するつもりはないけど、そう思ってくれているのは嬉しい。
七夏「? どしたの?」
時崎「ありがとう! でも、一緒に降りるよ! 七夏ちゃん、何か手伝える事ってないかな?」
七夏「それじゃあ、居間で待っててもらえますか?」
時崎「ああ!」
七夏ちゃんと一緒に1階へ降りる。
凪咲「あら? 七夏、どうしたの?」
七夏「えっと、今からお弁当を作ろうと思って☆」
凪咲「お弁当!?」
時崎「凪咲さん。今日の出発を少し早めにしようと思いまして」
凪咲「あら、そうなの?」
凪咲さんはその理由までは訊いてこなかった。
時崎「すみません」
凪咲「いいのよ。では、私も七夏のお手伝いをいたしますので♪」
時崎「あ、ありがとうございます」
七夏ちゃんを凪咲さんがお手伝い・・・この時点で俺が手伝うのは、足を引っ張るだけのような気がした。
七夏「柚樹さん☆ ここに座ってて☆」
時崎「え!?」
七夏「お手伝い、お願いできる事があったら、声をかけますから☆」
時崎「あ、ああ! 分かったよ」
七夏「くすっ☆」
・・・しかし、結局、何も手伝える事は無かった。七夏ちゃんは、最初から分かっていたのかも知れない。相手の好意を受けとめて、自然な形で全てを行なってくれる。俺もそんな気遣いが出来るようになりたいけど・・・。
時崎「凪咲さん!」
凪咲「はい♪」
時崎「何か手伝える事ってありませんか?」
凪咲「ありがとう。柚樹君。そうね・・・昨日のテレビで、ナオが映っている録画を、これに残す事は出来るかしら?」
時崎「はい! 任せてください!」
凪咲「ありがとうございます♪」
時崎「このディスク3枚に残せば良いのですね?」
凪咲「はい♪ よろしくお願いします♪」
時崎「分かりました」
俺は、直弥さんが映ってい
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