終幕:虹が晴れる時
[9/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いつ・・・でも、部を辞めろとは言わない。
・・・そう、私はそいつの歌声に恋をしていた。
そいつじゃないっ! あくまでも「歌声」にっ!
−−−−−−−−−−「歌恋」−−−−−−−−−−
俺とはかなり性格が違う少年だと思うけど、七夏ちゃんは、こんな男の人が好みなのだろうか? つい、そのような事を考えてしまう。七夏ちゃんの好みか・・・。
<<七夏「優しく受けとめてくれる人がいいな☆」>>
また、俺の中の七夏ちゃんが語り掛けてきた・・・昨夜、七夏ちゃんとお話しした時の事だろうけど、これは俺の勝手な解釈だ。なぜ、こんな言葉が・・・確か−−−
<<七夏「そ、それ以上、たくさんの人に優しくされても、受け止め切れません・・・だから・・・」>>
優しくされる事は嬉しい。だけど、その優しさに答えられるのは1人だと言う事なのだろうか?
・・・やっぱり、よく分からない。しばらく考えていると、七夏ちゃんは足を伸ばして座り直す。その時、さらにぴったりと寄り添う形になって、七夏ちゃんの温もりが届いてくると思う間もなく、七夏ちゃんは少し揺れ始めた。足先を動かしているようだけど、この揺れがとても心地良い。七夏ちゃんはご機嫌な様子だから、このまま一緒に楽しみたいのだけど、声をかけるべきなのだろうか?
時崎「な、七夏ちゃん!?」
七夏「はい☆ あ、ごめんなさい」
時崎「どうしたの?」
七夏「えっと、足が少し・・・こうして足先を動かすと、心地良くて☆」
時崎「な、なるほど」
再び七夏ちゃんの「心地良い」が俺にも伝わってくる。
分かる事と分からない事。七夏ちゃんが可愛いという事は分かる。でも、まだまだ分からない事も多い。人の心は1ヶ月で分かる程、単純ではない。だから大切な人とは、ずっと一緒に居たいと思うのだろう。一緒に居る時間が長いほど、分かる事が増えるのだから・・・七夏ちゃんは、どう思ってくれているのだろうか?
時崎「七夏ちゃん! ありがとう!」
七夏「くすっ☆ 続きもあります☆」
このまま小説「歌恋」を読み続けると、夕方になってしまいそうだ。
時崎「続きは、自分でなんとかするよ! 小説の題名『歌恋』は覚えたから!」
七夏「あ、それは『歌恋』って読みます☆」
時崎「えっ!? そうなの?」
七夏「くすっ☆ 『うたこい』でもいいと思います☆」
時崎「『かれん』で、覚えなおしておくよ!」
七夏「はい☆」
俺は七夏ちゃんに、民宿風水を発つ時間を早める事を話す。
七夏「え!? 今日の夜じゃないの?」
時崎「ごめん。少し早めに出発しようと思って」
七夏ちゃんを夜道、ひとりで歩かせない為に、仕方のない事だ。
七夏「そう・・・なんだ・・・」
時崎「七夏ちゃん・・・」
七
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ