終幕:虹が晴れる時
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お昼を頂いて、少しのんびりと過ごす。七夏ちゃんと凪咲さんは、後片付けをしてくれているのを見て、申し訳ない気持ちが大きくなってくる。
<<時崎「俺も手伝うよ」>>
<<七夏「柚樹さんは、ごゆっくりどうぞです☆」>>
七夏ちゃんに言われたからだけど、やっぱり自分だけのんびりとしている姿を見られるのは心苦しく、そのまま和室へと移動した。壁に七色の光が映っている。以前に買ったサンキャッチャー風鈴の光だ。七夏ちゃんは、この光を見てとても喜んでくれた。縁側の窓を開けると、風鈴は心地良い音を奏ではじめた。この光も音色も、ここでの生活の一部に溶け込んでいて、あまり意識しなくなっていたけど、無くなってからその存在の大切さに気付く事も多い。人は後先を考えているようで、案外今しか意識していないのだ。
時崎「まあ、後先を考えなかったから、今があるのかも知れないな」
しばらく心地の良いひとときを楽しむ。目を閉じていると、今までの出来事が蘇ってくる。その殆どが七夏ちゃんの事だ。それだけ、俺の心に大きな存在となっている。七夏ちゃんの心に俺はどのくらいの存在で居るのだろう?
<<七夏「一緒がいいな☆」>>
俺の心の中で、七夏ちゃんが「一緒がいいな☆」と話し掛けてきた。いつ七夏ちゃんがそんな事を話したのか分からないけど、そんな印象が出来ているのだろう。七夏ちゃんは「一緒」という事を、とても大切にしている。だから、楽しい事、嬉しい事は、俺だけや、七夏ちゃんだけでは、七夏ちゃんは心から喜んでくれない。
時崎「一緒か・・・」
七夏ちゃんの行動と、「一緒」という事を合わせて考えると、今までの出来事がより彩りを増して蘇ってきた。
七夏「柚樹さん☆」
時崎「!?」
七夏「くすっ☆」
お片付けが済んだのだろうか。七夏ちゃんは、俺の隣に座ってきた。昨夜と同じように。女の子座りのためか、少し寄り添うような形になるけど、俺はとても嬉しい。七夏ちゃんと一緒に心地良いひとときを楽しみたい!
時崎「・・・・・」
七夏「・・・・・」
俺は何も話さなかったけど、七夏ちゃんには届いている・・・と、思っている!?
七夏「・・・・・」
時崎「!?」
七夏ちゃんは、そのまま手にしていた小説を読み始めた。俺の心は届いている!? 七夏ちゃんの心境が分からない・・・小説なら一人でも・・・っ!
「一緒」
さっき考えていたばかりなのに、大切な事って意識し続けないと、すぐに見失ってしまう。俺はこのまま七夏ちゃんとの「一緒」を大切に意識し続けた。
寄り添う七夏ちゃんと俺の様子を、凪咲さんに何度か見られているけど、特に何も言われない。このまま一緒に過ごしたいと思うけど・・・そうだ! 七夏ちゃんは駅まで送ってくれると話してくれ
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