終幕:虹が晴れる時
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て貰えるなんて、思ってませんでした☆」
時崎「喜んでもらえて良かったよ!」
七夏「はい☆ 七夏、ずっと大切にします☆」
時崎「ありがとう!」
七夏「くすっ☆」
七夏ちゃんなら、本当にずっと大切にしてくれると思う。
いつものように、心が晴れたような清々しい気持ちで七夏ちゃんとお話しが出来る事。これって普段は気が付かない事だけど、本当は大切な事なのだと思う。そして、人の心はすぐには見えないけれど、ゆっくりと時間をかければ、少しずつ見えるようになるのだということも、七夏ちゃんから教わった。
七夏「柚樹さん☆ 本当にありがとうです☆」
時崎「俺も七夏ちゃんの撮影で、人を撮る事の楽しさを知ったよ。ありがとう!」
七夏「え!?」
俺は人物の撮影を避けていたけど、七夏ちゃんを撮影してゆくうちに・・・人物を避けるのではなく、人物を選べばいいという事に気付かされた。
俺自身、こんなに沢山の人物を撮影するなんて考えられなかった。お礼を言わなければならないのは俺の方だ。
時崎「それまでは、人を撮影する事があまり無くて・・・」
七夏「そうだったの?」
時崎「風景の方が気楽に撮影できるから」
七夏「くすっ☆」
俺は、人物の撮影を避けていた本当の理由を、七夏ちゃんには話さなかった。何度か夢にも出てきて、その度に切ない想いになったけど、これからは違う! これも七夏ちゃんから教わったのかも知れない。
七夏「柚樹さん☆ お腹すきませんか?」
時崎「え!? あ、もうお昼前?」
七夏「はい☆ お昼の準備をしますね☆」
時崎「ありがとう! 七夏ちゃん!」
七夏「くすっ☆」
七夏ちゃんは「おむすび」を作ってくれた。
七夏「柚樹さん☆ もしよかったら、これもあります☆」
時崎「ホワイトシチュー!」
七夏「昨日の残りですけど」
時崎「ありがとう! 頂くよ!」
七夏「はい☆ では、温めてきますね☆」
時崎「ああ!」
おむすびとホワイトシチューという、少し変わった組み合わせだけど、それが家庭的な事のようで、嬉しく思う。ホワイトシチューは、昨日よりも味が深くなっているように思えた。
七夏「柚樹さん☆」
時崎「?」
七夏「お夕食も、頑張って作りますね☆」
時崎「あ、ああ!」
七夏「それから、柚樹さんを駅までお見送りします☆」
時崎「え!?」
七夏ちゃんの気持ちは嬉しいけど、駅まで送ってもらうと、その後で七夏ちゃんを暗い夜道の中、一人で帰らせてしまう事になってしまう。最後にそのような事をさせてしまうのは良くないと思う。
七夏「!? どしたの?」
時崎「あ、ごめん! なんでもない」
凪咲さんが一緒なら安心だけど、そこまでお願いするのは厚かましいと思う。民宿のお仕事もあるだろうから
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