終幕:虹が晴れる時
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った七夏ちゃんの髪留めが、力強くそう感じさせてくれて、気持ちが高揚してきた。列車の揺れは心地よく、そんな俺の高鳴る気持ちを、落ち着かせてくれているかのようであった。
そう・・・俺にとって、本当の虹は−−−
−−−列車の警笛がこだまする−−−
時崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
離れなければ見えない事もある。虹は、そういう存在だと分かっていたはずだ!
<<凪咲「少し、距離を置いてみると、色々と見えてくると思うわ」>>
時崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺の気持ちは七夏ちゃんに届けたけど、七夏ちゃんの気持ちは分からないままだ。
時崎「・・・やっぱり、七夏ちゃんの心を確かめたいっ!」
そんな気持ちが、どんどんと大きくなってゆく・・・。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「うぅ・・・うぅ・・・」
心桜「つっちゃー・・・」
七夏「っ!!! こ、ここちゃー!?」
笹夜「七夏ちゃん・・・」
七夏「さ、笹夜先輩!? ど、どおして?」
心桜「実は、お兄さんの見送り、笹夜先輩と話して驚かせようと思ってたんだけど、予定より早く出掛けたって凪咲さんから聞いてさ・・・」
笹夜「・・・ごめんなさい」
七夏「うぅ・・・ここちゃー、笹夜先輩・・・うぅ・・・」
心桜「つっちゃー、元気だしなよ! 駅の端っこでいつまでも泣いてると、お兄さんも悲しむよ!」
笹夜「七夏ちゃん、また時崎さんと会えると思います♪」
七夏「・・・はい・・・」
心桜「そうそう! ほら、列車来たよ! お兄さん、つっちゃーに会いに戻って来てくれるかも・・・なんてねっ!」
笹夜「心桜さん、さすがにそれは−−−」
時崎「七夏ちゃんっ!!!」
心桜「え!?」
笹夜「まあ!」
七夏「ゆ、柚樹さんっ!」
大切な人が俺の元に掛けてきてくれ、そのまま自然と抱きしめあった。
大切な人との2度目の再会−−−俺は、七夏ちゃんの想いがはっきりと伝わってくるのが分かった。惹かれ合い、心から結ばれ、お互いの虹は晴れてゆくのだった。
虹は、どんな色に見えますか?
翠碧色の虹 終幕 完
−−−−−−−−−−
「翠碧色の虹」を終幕までお読みくださり、ありがとうございました!
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