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翠碧色の虹
終幕:虹が晴れる時
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心桜「笹夜先輩! 急いで!」
笹夜「きゃっ!! こ、心桜さん! 待ってって話したけど、急に止まらな−−−」
心桜「・・・・・」

天美さんは「静かに」というポーズをとった。その行動に、高月さんも状況を理解する。

笹夜「・・・・・」
心桜「笹夜先輩・・・」
笹夜「!?」
心桜「初恋双葉・・・大切に見守らないと・・・ですよね!」
笹夜「・・・・・ええ♪」

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

時崎「な、七夏ちゃん・・・」
七夏「柚樹さん・・・・・」

ギュッとしていた七夏ちゃんから、そっと離れる。七夏ちゃんは堪えながらも、笑顔を搾り出そうとしている。

七夏「柚樹さん・・・これ・・・」

七夏ちゃんは、髪留めをひとつ外して、俺に差し出してきた。

時崎「これは、七夏ちゃんが大切にしているセブンリーフの髪留め・・・」
七夏「はい。柚樹さんに持っていて・・・ほしい・・・です」

俺は、少し考える。七夏ちゃんが、とても大切にしているセブンリーフの髪留め・・・手渡してくれたのは四葉の方だ。これが、どういう事を意味しているのか・・・。四葉のクローバーは幸せの象徴だ。七夏ちゃんが俺の幸せを願ってくれるなら、俺もそれに答えなければならない!! しかし、今のんびりと考えている時間は無い!! どうする!? 俺は答えた。

時崎「七夏ちゃん! ありがとう。じゃ、少しの間、借りておくよ」
七夏「え!?」
時崎「必ず、返しに来るから!!」
七夏「・・・・・はいっ!!」

駅のアナウンスに押され、列車に乗る。俺と七夏ちゃんの間に、列車の扉が躊躇いも無く割って入る。俺と七夏ちゃんは列車の扉の窓越しに見つめあう。列車のエンジン音が更に大きくなり、景色がゆっくりと流れ出す・・・。しかし、七夏ちゃんだけは同じ位置のまま・・・列車の動きに合わせてきた。

時崎「七夏ちゃん!」

俺は、扉の窓越しに七夏ちゃんの姿を収め続ける。しかし、徐々に速度を増す列車に、七夏ちゃんは付いてこれな・・・その時−−−

七夏「○○○○○!!! ○○○○○○!!!」
時崎「え!? 七夏ちゃん!!!???」

七夏ちゃんが、何か叫んだが、それに共鳴するかのように、列車の警笛が大きく鳴り響き、七夏ちゃんの姿は見えなくなった。

時崎「七夏ちゃん・・・」

俺は、自分の心も落ち着かせる。不思議な虹を追いかけて、水風七夏という名の不思議な少女と出逢った。虹は七色だと思っていた・・・。しかし、それは俺の思い込みに過ぎなかった。七色よりも、もっと深く、繊細で、暖かくて、優しくて、可愛くて、少し甘えん坊さんで・・・。俺と七夏ちゃんとの一時は、これからも続く・・・いや、続けさせてみせる! 俺の手の中で暖かくな
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