終幕:虹が晴れる時
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から、頂いてください」
時崎「ありがとうございます! 七夏ちゃん? どうしたの?」
七夏「え!? えっと、柚樹さん☆ おかわりあります☆」
時崎「ありがとう! 七夏ちゃん!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
朝食を頂き、自分の部屋で少し休む。七夏ちゃんからこのお部屋に案内された時の事を思い出していた。
時崎「ここから始まったんだな・・・」
扉に背中を付けながら、部屋全体を撮影する。
マイパッドのデジタルアルバムに、撮影した写真を追加して仕上げを行なってゆく。七夏ちゃんからコメントをもらった時のように、俺もコメントを添えようと、色々な言葉を考えるのだけど、気の効いた言葉が見つからず、結局「ありがとう」という言葉になってしまった。無理に飾ろうとせず、素直に感謝の気持ちを伝えれば、七夏ちゃんなら喜んでくれるはずだ。
時崎「よし! 後は七夏ちゃんのマイパッドへ転送するだけだ!」
七夏ちゃんへのアルバムも糊がしっかり乾いている・・・なんとか間にあった!
だけど、もうひとつアクセントがほしい。海で七夏ちゃんからもらった七色の貝殻を七夏ちゃんへのアルバムと合わせてみると、なかなか良い印象に思えた。でもこれは、七夏ちゃんが俺にくれたから、ここで使うのは違うと思う。と言うよりも、この七色の貝殻は俺が持っていたい。
時崎「そういえば!」
鞄の中を漁る。
時崎「あった!」
以前に雑貨店で買った「ラブラドライドのペンダントトップ」があった。これなら、チャームのようなアクセントとなる。七夏ちゃんへのアルバムと合わせて見ると、七色の貝殻と同じような印象だった。
時崎「この石を付けてから、七夏ちゃんに渡そう!」
俺は七夏ちゃんへのアルバムの最後の仕上げに取り掛かった。
時崎「これで、あとは七夏ちゃんに渡すだけだ」
先に七夏ちゃんに気付かれてしまったら少し切ないので、七夏ちゃんへのアルバムを目に付かないところへしまう。
部屋を出ると、1階から七夏ちゃんの声が聞こえてくる。電話で誰かと話しているみたいだけど、相手は天美さんだろうか? 七夏ちゃんのお話しが終わるまで自分の部屋へ戻って待つ事にする。扉は開けたままなので、七夏ちゃんの声がなんとなく聞こえるような状態だけど、その会話の内容までは分からない。
マイパッドで、今夜の列車の出発時刻を調べる。特に乗車する列車を決めているわけではない。指定席を確保すると、その予定に拘束されてしまうから、融通が利かなくなってしまう。俺がこの旅行を計画的に考えていたら、今、ここには居ないだろう。計画も大切だけど、旅行はのんびりと楽しみたい。
時崎「・・・のんびりし過ぎだな・・・」
だけど、それが良かったのだと思う。のんびり過ごす事の楽しさや心地良さは、
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