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極寒の中で
第二章

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「ありましたね」
「ああ、青梅湖から少し離れたな」
「洞窟にですね」
「変な魔女がいるんだな」
「それも氷の術を得意とする」
「そいつがか」
 まさにとだ、残もその依頼のことを書いた文章を読みつつ話した。
「この辺りの寒さの原因か」
「何か氷の術を使って」
 そしてとだ、文章には書いてあった。
「この辺りを氷で覆おうとしている」
「何もかもを凍らせてな」
「何故そうしたいかわからないですが」
「そんなこと許せないからな」
「多くの人や街、生きものを凍らせるなぞ」 
 それこそとだ、莫は強い声で話した。
「許せないですからね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「ここはだよな」
「はい、すぐにです」 
 まさにというのだ。
「この依頼を受けて」
「その魔女退治にかかるか」
「寒さも厄介ですが」
 それだけでもというのだ。
「しかし」
「この辺りを全部凍らせたらな」
「犠牲は計り知れません、我々が直接率いて軍隊を送ってでも」
「止めるべき話だしな」
「絶対に受けましょう」
「それじゃあな」
「これより」
 莫は意気込みを見せた、だが。
 ここでだ、彼はこうも言った。
「しかしその前に」
「何だよ」
「はい、防寒のことは」
 言うのはこのことについてだった。
「普段以上にです」
「ああ、そのことな」
「そうです、今でこの寒さで」
 西寧にしても相当なもので皆厚着をしている、それも相当にだ。
「その寒さの中心ともなると」
「こんなものじゃないからだな」
「ですから」
「厚着をしておかないと駄目か」
「そうです、しかし厚着が過ぎても」
 この場合についてもだ、莫は話した。
「それはそれで、です」
「動きに問題が出るので」
「お前はともかくおらっちがな」
 残は自分のことも話した。
「どうしてもです」
「そうだよな、ですから」
 それでというのだ。
「そこは考えて」
「じゃあカイロでもな」
「備えておきますか」
「足もな」
 そこもというのだ。
「ズボンの下にもう一枚穿いてな」
「それで全然違いますからね」
「靴下も厚いものにしてな」
 こちらのことにも言うのだった。
「それでいいか」
「あと肌着もです」
 爆破こちらの話もした。
「一枚多く着るなりして」
「そこもか」
「はい、服を工夫すれば」
「寒さはかなり違いますので」
「詳しいな、おらっちもそのつもりだけれどな」
「残さんは吉林省の方なので」
「あそこも寒いからな」
 このことはこの世界でもだ、北京辺りになると寒さは相当で東北の諸地域になるとかなり厳しくなるのだ。
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