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レーヴァティン
第百一話 島への侵攻その五
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「まあ要するにね」
「マフィアだな」
「そう、おいら達の起きている世界でもそうだね」
「シチリアっていったらマフィアだな」
「それでナポリはカモラだよ」
 その行いは同じだがルーツが違うのだ。だからアル=カポネはナポリ生まれであるので同じイタリア系でも本来はシチリアのマフィアとは別のルーツになるのだ。
「まあ名前は違うってことで」
「やってることは同じでな」
「そう、それでね」
 そのうえでというのだ。
「この世界のシチリアもだよ」
「そうした連中が仕切ってるか」
「裏でね」
「そのままマフィアだな」
「マフィアのはじまりはそうよ」
 今度は清音が話した。
「元々は山賊とか街の自警団とか密輸組織でね」
「そうした連中がか」
「マフィアになっていったのよ」
「そうだったんだな」
「自警団にしてもね」
「ヤクザ屋さんがやってたことあったな」
 ここでだ、久志はこう清音に話した。
「俺達が起きた世界でいる神戸でもな」
「その話知ってるのね」
「祖父ちゃん達が話してるぜ、終戦直後は治安が悪くてな」
「悪い奴等が街に一杯いてね」
 所謂三国人だ、終戦直後警察力の弱体化による治安の悪化で日本以外の国の出身者達の悪事が深刻化していたのだ。
「それで神戸でもね」
「ヤクザ屋さんが自警団やってたな」
「そうだったでしょ」
「その話は俺も知ってるさ」
「神戸でも広島でもね」
 広島の方の話は映画『仁義なき戦い』のシリーズでも出ている。
「そんな風でね」
「自警団でもか」
「日本はヤクザ屋さんがなったけれど」
「自警団がヤクザ屋さんにもなるか」
「だってあくまで自警団で」
「警察じゃないからな」
「警察は法律のコントロールが利くわ」
 公権力故にだ、それ故に法の番人とも呼ばれるのだ。
「ちゃんとね、けれどね」
「自警団は違うからな」
「法律とは別の存在でしょ」
「だから下手をするとか」
「権力と悪意を持ったら」
「ヤクザ屋さんになるか」
「そうよ、だから不思議でも何でもないのよ」
 自警団がマフィア化することはというのだ。
「むしろね」
「自然な流れか」
「そうよ、それでね」
「そうした連中もか」
「やっつけていくから」
「犯罪組織は不要ってことだな」
 久志はこう述べた。
「要するに」
「あと私達以外の権力は」
「国家権力以外はか」
「権力は出来る限り集中させないと」
 そうしなければというのだ。
「乱れる元でしょ」
「そうだよな、権力の乱立とかな」
「我が我がとなって」
 そしてというのだ。
「内乱の原因にもなるわ」
「日本の戦国時代とかな」
「一つの権力の下に出来る限り強い武力を集めて」
「法律もな」
「整えてこそよ」
「秩序があるん
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