希望の種
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「へぇ・・・」
「相変わらずのパワーだな」
ぶつかり合い、周囲に爆風を巻き起こした二人の拳。最初の主導権争いなのか、双方共に相手の拳を押し込もうと力を入れている。
グググッ
少しずつ押し込んでいるのは天海。数多くの魔導士たちを肉体の能力だけで圧倒していただけに、持っているは目の前の存在よりも強い。
「スゥッ・・・」
対するティオスは押し込まれつつも口に魔力を溜めていく。それに気付いた天海は押し合いをやめて距離を取ろうとする。
ガシッ
「!!」
だが、ティオスはそれを読んでいた。ぶつかり合っていた拳を素早く広げて相手の手首を掴む。
「氷神の怒号!!」
ほぼ零距離でのブレスの発射。それは瞬く間に天海を飲み込んだ。
「さすがにいい反応をしている」
「なっ・・・」
ダメージを逃がさないために天海の手を離さなかったティオス。そのおかげで確かに大きなダメージを与えることができた。だが、天海はそれを致命傷にはしなかった。
「ふっ!!」
「ゴハッ」
天海は地面を蹴り敵の頭部へと蹴りを入れる。それによりティオスはバランスを崩し地面を転がる。
「モード・竜神」
水の滅竜魔法と氷の滅神魔法。双方の魔力を持っている彼だからこそできる状態へと変化する。
「まだ全力は出さないということか?」
「このあとにも戦いを控えているものでね」
3つの属性を持っているティオスがその全てを解放しないことに疑問を持つ天海。対するティオスは悪びれる様子もなくそう告げる。
「くくっ」
強者との戦いを好む天海にとってこれは大きな屈辱・・・無礼極まりない行為であるはず。それなのに、なぜか彼は笑っていた。
「それが神になるために必要な判断か」
「あぁ」
「それでこそお前だ。俺が・・・」
地面を強く蹴り距離を一気に詰める天海。その速度は目に魔水晶を入れてすべての視力を上げているはずのティオスですら目で追えなかった。
「もっとも戦いたかった相手!!」
意識ごと持っていかれるのではないかというほどの威力ある拳。顔面に突き刺さったそれに、声を発することもできずに、地面を転がる。
「バカな・・・いつの間にこんなスピードを・・・」
彼の記憶では天海にはこれほどの速度はなかった。レオンの時に戦った時の記憶・・・彼自身と相まみえた時の記憶・・・そして、共に旅をして来た時の記憶・・・全てにおいてこれほどの力を把握していない。
「お前は今まで一度も本気になったことはないんだろ?ティオス」
体を起こそうとしているが、ダメージが大きすぎたのかフラフラしているティオス。彼を見下ろすように問いかけた天海は、鋭い眼光を光らせる。
「す
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