第二章
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「あたし達がその船に行ってええかな」
「そうしてですか」
「犯人を見付け出してな」
そしてというのだ。
「事件の真相を明かすわ」
「そうしてくれますか」
「そうしてええやろか」
「はい」
市長は蓮美の申し出にすぐに答えた。
「星の方であるお二人の申し出なら」
「それならやね」
「正直警察もです」
「捜査しててやね」
「証拠が一切なく」
それでというのだ。
「お手上げという状態で」
「それやったらやね」
「お二方のお力を借りて」
そしてとだ、市長は蓮美に切実な声で述べた。
「事件の解決をです」
「させてもらうで」
「宜しくお願いします」
市長はこう言ってだ、そしてだった。
二人は早速事件の解決を依頼された探偵ということになってそのうえで港に戻りその船に入った、その船は普通の貿易船で名前を黒犬といった。
その名前についてだ、蓮美は花華に話した。船の中に入ってすぐにだ。
「バスカビル家かいな」
「コナン=ドイルのやな」
「それ思い出したわ」
こう言うのだった。
「まさにな」
「推理向けやな」
「ほんまにな」
「そやな、ほなあたしはここはホームズになって」
「私はワトソンかいな」
「事件を解決するか」
「そうするか、けどな」
ここでだ、蓮美は。
船の中を見回してだ、花華に対して言った。何処をどう見ても普通の貿易船の中であり愛想やそういったものもない。
「この船の中はな」
「何か感じるか?」
「いや、別に。ただな」
それでもと言うのだった。
「ここで殺人事件が起こったのは事実でな」
「それでやな」
「証拠もな」
「あるんやな」
「何かが起こった場所に手掛かりは全くないとか」
それはというのだ。
「有り得へん」
「毛の一本でもやな」
「もっと言えばな」
蓮美は花華にさらに言った。
「気配の残り一つでもな」
「あるんやな」
「そしてな」
蓮美はその目を光らせた、そしてさらに言うのだった。
「あたしの錬金術はな」
「科学と一緒でやな」
「そや、捜査にも使える」
事件のそれにもというのだ。
「そやからな」
「今回はやな」
「やってくで、これを使ってな」
錬金術の薬を出して言う、それは術に使うものとはまた違っていた。
「捜査するで」
「薬か」
「それで道具もな」
今度は錬金術に使うそれも出していた。
「使うし」
「ほな今回はやな」
「錬金術の推理や」
「それになるな」
「まあ中国では錬丹術ともいうけどな」
これは中国では錬金術は金を生み出すよりも不老不死の丹薬を生み出すことに使っていたからだ、それでこう呼ばれているのだ。
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