第五章
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「この数の異形の者達とわらわに勝てるか」
「ほお、誰に向かってものを言ってるんだ?」
残は既に勝ち誇る巫女に不敵な笑みで応えた。
「一体」
「負け惜しみか」
「負け惜しみかどうか今から見せてやるぜ」
「戦いは苦手ですが」
それでもとだ、莫も残の横から言った。
「しかし」
「ああ、お前もな」
「戦いますので」
「頼むぜ、おらっち達二人ならな」
「大丈夫ですね」
「自信持って行けばいいんだよ」
こう言ってだった、残はその手に花和尚の錫杖を出してだった。
音よりも速く動き道観の中でそこにいる者達を皆殺しにしようとするモンスター達を術を中心に戦う莫と共にだった。
戦い倒していく、そして最後は。
巫女も倒した、怨霊になりその左道がさらに強まっている彼女も。
残の敵ではなかった、それで倒された巫女は魂が滅ぶ中で言った。
「つ、強いのう・・・・・・」
「強い奴は何処にでもいるんだよ」
「それがお主達か」
「そうだよ、おらっち達を侮ったのが失敗だったな」
「おのれ、時を待ったというのに」
「幾ら待っても邪法は邪法だよ」
残は消えゆく巫女に言葉を返した。
「邪法を絶対に滅ぶんだよ。
「おのれ、おのれ・・・・・・」
「今度こそ地獄に落ちて裁かれろ」
これが残の巫女への贈る言葉だった、巫女は呪詛と共に消え。
道観の騒動は終わった、女道士をはじめとした道観の者達も憑かれていた商人達も二人に篤く感謝の念を述べてだった。
もてなしてくれて謝礼も弾んでくれた、その後でだった。
二人は長春を出る前に二人だけのことを果たした祝いとして醤大骨、大須炒肉、家鴨の肉や香りの強い野菜を包んだ春餅、大蒜と胡瓜を干し豆腐と和えたものに豚のスープの脂っこい麺に水餃子そして甜点を老酒と共に楽しんだ。
その中でだ、残の手にあるものが宿った、彼は自分の中に語ってくる言葉をもとに莫に対して話した。
「この弩は凄いぜ」
「神具だけあってですね」
「ああ、浪士弩だよ」
「浪士、燕青ですね」
「水滸伝の豪傑のな」
「あの人の弩ですか」
「幾ら使っても矢が減らないでな」
そうしてというのだ。
「一撃で龍さえ仕留められる」
「神具の武器はどれもそうですが」
「そんな威力だよ」
「それはいいですね」
「間合いも相当だしな」
このこともあるというのだ。
「かなりいいものが手に入ったぜ、それにな」
「さらにですか」
「ああ、神託を乗り越えてな」
そしてというのだ。
「おらっち自身もな」
「強くなられましたか」
「全体的に一回りな」
これは心の中で自分に語ってくる言葉だけでなく自分自身の実感もあった。
「凄いな」
「それは何よりですね」
「ああ、それじゃあですね」
「それならな」
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