第三章
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「さっぱりだな」
「そうですね」
莫は二人の用意された部屋の中で残に応えた。
「モンスターが出る風にはな」
「思えませんね」
「しかしな」
それでもとだ、残は言うのだった。
「楊さんも他の道観の人もな」
「嘘は言ってませんね」
「目でわかるんだよ」
嘘を言っているかどうかはとだ、残は述べた。
「それはな」
「そうですね、ですから」
「ああ、おらっち達はまだ遭遇してないけれどな」
「この道観にモンスターが出ることは」
「間違いねえな」
莫に鋭い顔で述べた、夜にと出された精進酒と精進ものである豆腐を口にしつつ。
「それはな」
「そうですね」
「普通道観にはモンスターは入って来いへん」
「となると」
「中からや」
残に鋭い目で述べた。
「そうなる、そしてな」
「モンスターによりますが」
「モンスターを出そうと思ったらな」
それならというのだ。
「一番考えられるのはな」
「召喚師ですね」
「その職業のモンや」
「ですね、ですが」
「ああ、ここにな」
「召喚師は」
「おらんな」
二人が見たところだ。
「ちょっとな」
「左様でしたね」
「と、なるとだ」
残はその目を鋭くさせて言った。
「隠してる奴がいるな」
「その素性を」
「自分が召喚師であることを」
「それでな」
「この道観の中でモンスターを出していますね」
「間違いないな、ただ召喚するにしても」
モンスターをというのだ。
「召喚出来るモンスターは本来決まってるがな」
「術では」
「まあターリアさんは別だけれどな」
ロシアの軍師を務め神星の一人である彼女のことも話した。
「自分だけのものを召喚出来るからな」
「あの人は別格ですよ」
それこそとだ、莫は精進酒を飲みつつ残に答えた。
「本当に」
「ああ、洒落にならない魔力だからな」
「ですから置いておいて」
「ここはな」
「調べていきましょう」
「よりな」
残は酒を飲みつつだ、莫に応えた。そうしてだった。
翌日も道観の中を調べて回り聞き込みもした、この日は道士だけでなく道観の中で働いている人達からも話を聞いたりしてだった。
道観の中を隅から隅まで調べた、だが。
手掛かりはなかった、しかし残は言うのだった。
「出入りする人もだよ」
「この道観に、ですね」
「その人達も調べてな」
「モンスターが出る手掛かりをですか」
「探さないとな」
「まだわたくし達はモンスターに遭遇していませんが」
「それでもな」
こう言うのだった。
「腰を据えて調べるんだよ、おらっちはそういうのは苦手だけれどな」
それでもとだ、残は道観の中を歩きつつ話した。
「そうしないといけない時はな」
「しっかりとですね」
「腰を据
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