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ある晴れた日に
233部分:オレンジは花の香りその十六
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それで美味いのか」
「成程」
「アメリカのオレンジも嫌いじゃないけれど」
 未晴はアメリカのオレンジについても配慮していた。
「けれど。やっぱり日本のオレンジが一番だから」
「そうだな」
 正道はここでもそのオレンジを食べていた。
「だからか。余計に美味いんだな」
「そうだと思うわ。それでこのオレンジだけれど」
「ああ。何だ?」
「まだいるかしら」
 こう正道に対して問うてきたのだった。
「このオレンジ。まだあるけれど」
「えっ、まだあるの!?」
「このオレンジ」
 正道よりも先に皆が今の未晴の言葉に声をあげた。
「だったら頂戴頂戴」
「ナイフ出してくれ、ナイフ」
 もう食べるつもりだった。そうして食べるつもりだったのだ。もう恵はそのナイフを出してまな板まで用意していた。彼女もそのつもりになっていた。

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