第百三十二話
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第百三十二話 ホテル
カーミラは美女を連れてある場所に入った、そしてホテルの者にカウンターでそのカードを出して告げた。
「一泊いいかしら」
「はい、お部屋は」
「ロイヤルスイートよ」
ホテルの者に微笑んで答えた。
「そこを頼むわ」
「そうですか」
「いいかしら」
「わかりました、ただ」
そのカードを見てだ、ホテルの者は驚いていた。そのカードはある有名な企業の最高級のカードだったからだ。
「貴女は」
「そうね、古い家の女と言っておくわ」
「古い家のですか」
「そうよ」
カーミラはホテルの者に妖艶に微笑んで答えた。
「そう言っておくわ」
「左様ですか」
「ではね」
「お二人で、ですね」
「一泊ということで」
「わかりました」
「すぐにルームサービスでね」
カーミラはホテルの者にさらに話した。
「飲みものを用意するわ」
「飲みものは一体」
「お酒に効くものよ」
「ではスポーツドリンクですか」
「それを持ってきてくれるかしら」
こう言うのだった。
「いいかしら」
「わかりました、では」
「ええ、今からね」
「案内致します」
「チェックアウトは私が言うまででお願いするわ」
一泊と言ってもというのだ、こうしてだった。
カーミラは美女と共にそのホテルのロイヤルスイートに入りそこでだった。まずは美女にスポーツドリンクを飲ませた。
そしてだ、泥酔しながらも意識のある彼女に尋ねた。
「まだ名前を聞いていなかったね」
「久保雪路よ」
「久保さんね」
「ええ、職業はOLよ。銀行の」
「そうなのね」
「けれど貴女は」
「通りすがりの貴女の友達と思ってくれていいわ」
「通りすがりの」
「そうよ」
ここで妖しく笑って話した。
カーミラは美女、久保雪路にはこう名乗った、そしてそのうえでまずは彼女に酔い醒ましのものを飲ませるのだった。
第百三十二話 完
2019・2・13
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