第94話
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るように促されたトワは恥ずかしそうな表情で断ろうとしたが
「ここで傘を押し付けられるのと一緒に帰るの、どちらがいいですか?」
「ズ、ズルイなぁ〜。そんな言い方をするなんて…………それじゃ、お言葉に甘えさせてもらうけど…………わたしを気遣って肩とか濡らしちゃダメだからね?」
笑顔のリィンに押され、相合い傘を受け入れる事にした。
「はは、大丈夫ですよ。先輩はち―――」
トワの気遣いにリィンは苦笑しながらある事を言いかけたがすぐにその言葉を口にするのを止めた。
「何を言いかけようとしたのかな〜…………?」
一方トワは何かを言いかけてすぐに止めたリィンを意味ありげな笑みを浮かべて見つめていた。
その後二人は校門を施錠した。
「はあ、昔のリィン君だったらもっと純朴で素直だったのに…………断れないような言い方をするなんて悪い意味で大人になったというか。」
「はは…………すみません。でも、どうせ先輩の事だから生徒に傘を貸したんでしょう?予備があるから大丈夫とか言って。」
「み、見てたの!?」
自分の行動を言い当てられたトワは驚きの表情でリィンを見つめた。
「いや、先輩が傘の備えを忘れるはずは無いでしょうし。急な雨だったから普通に想像できるというか。」
「も、もう〜…………変な読みを働かせるのも禁止!リィン君、まだ20歳なんだからもっと初々しくてもいいと思うよ!?同僚とはいえ、わたしの方がいちおう1歳年上なんだしっ!」
「はは…………了解です。それじゃあ帰りましょうか。何処かに寄りますか?」
「ううん、わたしは真っすぐでいいよ。」
そしてリィンはトワと共に下校を始めた。
〜リーヴス〜
「……………………政経倫理のテストは本校のハインリッヒ教頭とでしたか。」
「うん、専門的なところとか力を貸してもらっちゃった。」
「リィン君は歴史学と実戦技術だったっけ?」
「ええ、本校の新しい教官とベアトリクス教官と協力しました。あちらも色々と大変そうですね。」
「うん、ヴァンダイク学院長とトマス教官は退任されちゃったけど…………マカロフ教官とメアリー教官は相変わらず頑張ってくれてるみたいだね。ふふっ、でも懐かしいな。2年前はサラ教官に、ナイトハルト教官もいたんだよね。」
「ええ…………そうらしいですね。政府の方針で、聞いていた以上に軍事色が強まっているそうですが…………それでも、元いた教官方が頑張ってらっしゃるのは心強いですね。」
トワの意見に頷いたリィンは静かな表情で答えた。
「ふふっ、そうだね。うん―――私も、もっと頑張らないと!アンちゃんもジョルジュ君もせっかくエレボニアに戻ってきたんだし!」
「!…………
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