第二章
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「あたしはええで」
「そやったらな」
「依頼受けてやな」
「青さんと会うで」
まずはとだ、こう美蓮に話してだった。
花華は実際に依頼を受けることをギルドの者に告げて老道士のいる道観、道教の寺に言った。すると竜人の青い道服を着た道士が出て来て二人に言ってきた。
「貴女達は」
「おっと、内緒です」
自分達の素性をその術の高さから察した道士にだ、花華は笑って返した。
「そこは」
「左様ですか」
「そう、それで」
「依頼を受けてくれて」
「ご老人を今からです」
「赤の奴との勝負の場にですな」
「連れて行かせてもらいます」
こう道士に話した。
「これから」
「宜しく頼みます、実は」
ここで道士は花華にこうも話した、二人に茶を出してそのうえでゆっくりと話す。
「わし等の勝負にはしきたりがありまして」
「それは何ですか?」
「勝負の場までは歩いていく」
その様な決まりがあるというのだ。
「雲に乗ったり瞬間移動や空を飛んだりは」
「したらあかんのですか」
「そうですじゃ、ただ」
「ただ?」
「実はわしは今は痛風で」
この病気を患っていてというのだ。
「歩ける様になるまで戻りましたが」
「戦闘については」
「術は使えても」
それでもというのだ。
「難しくて」
「それで、ですか」
「あ奴との勝負は術を使いますが」
そうして行うが、というのだ。
「道中の戦闘が不安で」
「そら痛風やったら」
花華は無意識のうちに自分の足を見た、ダック族用の小さな靴に覆われている足は起きた世界のそれよりずっと小さい。
「大変ですね」
「万力で足の親指を挟まれるみたいに痛いとか」
蓮美も痛風について述べた。
「暫く動けんとか」
「ごっつい大変らしいな」
「ご老人もそれになったんですか」
「いや、精進酒でビールが好きで」
老人は自分が何故痛風に罹ったのかを困った笑顔で話した。
「それで、ですじゃ」
「痛風になったんですか」
「節制していたつもりが」
それがというのだ。
「なってしまって」
「戦闘は、ですか」
「今は無理で」
「歩けるだけですか」
「前はそれも無理でした」
「足が痛くて」
「お恥ずかしいことに」
「はよ治して下さいね、ただ」
それならとだ、花華は道士にあらためて話した。
「そうでしたら」
「道中の護衛はですか」
「やらせてもらいます、私は賢者ですが」
「あたしはアルケミストです」
花華だけでなく蓮美も言う。
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