第四章
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「まだ十万には程遠い」
「出て来たら片っ端から一瞬で倒してるけど」
それも一度に何十体と出ることが多い、昆虫系のモンスターは一度に数多く出ることも特徴であるのだ。
「それでもな」
「どんどん出て来るし」
「こっちもどんどん倒して」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「ことを進めていこうな」
「ほなな」
「小さな虫の方もな」
「そうしていこな」
こう話してだった、二人は牛の助けも借りて戦闘と駆除を続けていった。地道であるがとにかく行っていった。
そして遂にだった、巨大モンスター達が殆ど出ることがなくなり村人達からもう虫はこれ位ならと言われる様になってだった。
ようやく終わってだった、二人は牛と共に最初にこの浮島に来た時に入った街に戻ってそこでまた飲み食いをはじめた。その時にだった。
この時は羊肉を焼きタレで味付けたものを食べ酒は紹興酒だった、勿論野菜も置かれている。
よく焼けた羊肉を食べつつだった、曹は張と今回のことについて疲れたと話していたがその彼に手にだった。
あるものが出て来た、それは何かというと。
「行者の服や」
「只の行者やないな」
「武松や」
「水滸伝の豪傑のやな」
「その豪傑の服がや」
それがというのだ。
「僕の新しい神具や」
「そうなんやな」
「三つ目のな、そう言ってるわ」
心の中で自分に語り掛けている言葉がというのだ。
「防御力だけやなくて腕力も精神力もな」
「両方をやな」
「高めてくれる」
「そんなええ神具か」
「そや、そしてな」
さらにというのだった。
「あのしんどい神託を乗り越えてな」
それでというのだ。
「全体的に一回り強うなったわ」
「それは何よりやな」
「そや、それでな」
曹は紹興酒を飲みつつ張にさらに話した。
「ここでの飲み食い終わったら」
「それからやな」
「あらためてな」
「行くな」
「そうしよな、神託を適えて得た力で」
それでとだ、張に強い顔と声で言うのだった。
「あらためてな」
「やるな」
「この世界やるで、絶対にな」
こう言ってだ、そうしてだった。
曹は実際に店での飲み食いを終えると彼が率先して前に進んだ、足も目も既に前に向いていた。
増え過ぎた虫達 完
2019・4・24
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