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増え過ぎた虫達
第一章
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               増え過ぎた虫達
 曹夢虎と張賢将の二人は今は曹の神託で中国陝西省西安上空の浮島に来ていた、この街に来て曹はすぐにだった。
 張と共に居酒屋に入って刀削麺に水餃子、肉団子のあんかけに麻婆豆腐そして羊肉の八宝菜を食べつつ中国産の赤ワインを飲んでいた。デザートには蜜柑がある。その酒を飲みつつ彼は張に対して怪訝な顔になってこんなことを言った。
「ちょっとここに来る途中虫多かったな」
「今こここんなに虫多い季節か?」
「いや」
 曹は刀削麺の独特の味を楽しみつつ張に答えた。
「この季節はな」
「多くないな」
「そや、特にこの浮島はな」
 二人が今いる西安上空にあるこの島はというのだ。
「元々な」
「虫が多ないか」
「その筈やのにな」
「こうしてか」
「虫が随分多い」
「そんなこともあるか」
「虫は時々異常発生するからな」
 様々な自然の要因が重なってだ、そうした事態も起こるのだ。
「そやからな」
「こうしてやな」
「虫がよおさん出る時もある、それでな」
「神託もやな」
「ひょっとしたらな」
 曹は今度はワインを飲んだ、ノームだけあって酒好きでそれでその飲み方も実に威勢のいいものである。
「虫絡みかもな」
「苦手なモンにとっては嫌な話やな」
「そやな、しかし虫は虫でな」
「生きてるしな」
「急に増えることもあるし」
「それが神託やったらやな」
「果たさなあかん」
 曹は今度は水餃子を食べた、その水餃子は生地が厚めだが辛子ともよく合っていて実にいい味である。
「絶対にな」
「そやな、ほなな」
「今日はもう遅いしな」
 夜になっている、それでというのだ。
「飲んで食べて」
「もう風呂にも入ってるしな」
 二人の宿屋は温泉宿だ、それでもう湯に入って身体を清めて疲れも取って今は飲み食いを楽しんでいるのだ。
「それでな」
「今はな」
「飲んで食べて」
「ゆっくりしよな、この羊の八宝菜も」
 それも食べつつだ、曹は言うのだった。
「美味いしな」
「まずは飲んで食べる」
「それからや」
 こう言ってだった、曹は今は張と共に楽しく食べて飲んだ。それから朝起きると二人共二日酔いだったがそれはだった。
 宿の温泉ですっきりしてそれから街のギルドに行った、するとギルドの依頼に曹の依頼通りのものがあった。
「虫退治か」
「それも巨大な虫の」
「この島の西の森か」
「あそこの話か」
「そうやろと思ったら」
 それでとだ、曹は言うのだった。
「ほんまにあったな」
「受けるやろ」
 張は曹にクールな目で尋ねた。
「そうするやろ」
「それはな」
 当然だとだ、曹は張に答えた。
「これが神託やと思うし」
「それやったらな」
「今からな」
「依頼を
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