【日に影る邂逅】
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ハナビの言葉にネジは耳を疑った。……火影が自分の家族よりも職を優先し里に尽くすのは当然であって、その火影を陰から支え理解を向けるべき日向の一族がナルトの家族の事情に苦言を呈しその上火影にかまけて家族を蔑ろにしているなどと宣うのは余りにお門違いだ。
「ハナビ……言い過ぎよ。私は十分幸せなの……ナルト君、割としょっちゅう本体で帰って来てくれるし、親子の日を作って家族との時間を優先してくれるし……私はそれで満足よ」
不敵にもとれる微笑を浮かべる歳上側のヒナタにネジは眉を顰め、黙ったまま歩み寄る。
「な、何かしらネジ兄さ──」
パシッと一発、小気味よい音が鳴り響く。
歳上側のヒナタは一瞬何が起きたか分からない表情をして片頬に手を当て、ハナビは驚いて声を荒げる。
「ちょっと! 何で姉様を引っぱたくのよ!?」
「私が、そうするべきだったと思う。ごめんなさいネジ兄さん、代わりにさせてしまって」
年下側のヒナタは目元の血管を浮き上がらせ、白眼を発動したまま歳上側のヒナタをじっと見据えている。
「私も、許せないの。こんな……他人事みたいな自分なんて」
「──仕方ないじゃない、これが、“私”なんだもの。アカデミーの頃からナルト君とは仲が良かったし子供達にもそう言い聞かせているわ。それとこう見えて私、大食いなの……。医療忍術だって、いつの間にか使えるようになっていたけどネジ兄さんには使えなかったの……だって助かりそうになかったもの。私はね……ナルト君の為なら自分の娘だって同期の女友達に任せて置き去りにするわ。ナルト君の恋人、妻、火影夫人に相応しく整形だってしたし、うじうじした控え目な性格だって変えた……。全ては、ナルト君の為なのよ」
歪んだ笑みを見せる歳上側のヒナタは狂気じみたものすら感じる。
「ナルトの為と言いつつ……全て自分の為でしかないんだな、“お前”は」
「私は、あなたのようにはならない。……なりたくない。“私”はネジ兄さんの為に強くなるって決めたの。守られてばかりじゃいけない……自分の足で立って、ネジ兄さんを守れるようになるの」
年下側のヒナタの言葉を受け、歳上側のヒナタは何を思ってかふと空を仰ぎ見る。
「──?そう、ね……そんな風にも、なってみたかったかもね、私。あなたのように、成長を許されていたなら……良かったのかもしれない」
(ヒナタ……?)
「あなた達は……生きて。私が生きられなかった生き方を、どうか生きてほしいの」
高圧的な先程までと違い、表情を和らげて話す歳上側のヒナタ。
「……そうよね、私も……担当上忍なんてやっている場合じゃないわ。ネジ兄様の分も……日向当主として務められるようにならないと」
ハナビの方は
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