【日に影る邂逅】
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…」
「どうしてこんな所に来てしまったのか分からないけど、還るべき場所に還らないと」
「……そうだな」
「お互い、有り得たかもしれない世界なのかもね。あなた達二人は、死んだみたいだけれど」
「いや、まだ死んではいない。俺達の意思は……消えたりはしない」
「ふふ……ネジ兄さんのそういう強がる所、嫌いじゃないわよ」
歳上側のヒナタは本当に性格も見た目も随分変わってしまったものだとネジは思う。
「もう一人の、私……私と、手合わせしてくれないかな」
「何を言い出すんだ、ヒナタ」
「このまま……何もしないわけにはいかない気がするの。自分の為にも……ネジ兄さんの為にも」
そう言って年下側のヒナタは迷いなく白眼を発動させる。
「そっちの私に未だに勝てないあなたが姉様に敵うと思ってるの? 馬鹿みたい」
「勝てる勝てないは問題じゃない……本人の強い意志に掛かっている」
「じゃあ兄様は……私と手合わせしてよ。それとも呪印消えてるし、白眼は使えないかしらね?」
「そうだとしても、掌底くらいは使えるだろう」
ハナビに構えをとるネジ。
「ならハンデとして私も白眼使わないであげようか?」
「いや、使ってくれて構わない。……腑抜けた次期当主に負ける気はしないのでな」
「言ってくれるじゃない……!」
ビキッと血管を浮き上がらせるハナビ。
「──やだ、ちょっと待って。私、白眼を使いたくないのよ」
「「な……??」」
その突然の歳上側のヒナタのひと言に、年下側のネジとヒナタは呆気にとられる。
「息子を叱る時には怖がらせる意味でも使うけどね……。それにナルト君に使ってくれって言われたら使うけど……それ以外は白眼を使う気にはなれないのよね。だって、血管浮き出るの恥ずかしいじゃない? 特に大戦から二年後のナルト君との任務中に使うのは恥ずかしかったのよね……」
「下らん……とんだ日向の姫だな」
「何ですって!? 姉様を馬鹿にするなこのっ」
ハナビからの素早い掌底をバシッと片手で難なく受け止めるネジ。
「ハナビが担当上忍というのも聞いて呆れる、とっくに当主であってもおかしくはないんだがな。それに襟元がだらしない、次期当主なら服装と態度を改めるべきだろう」
「あ、あんたに言われる筋合いはないわ!」
ネジは深い溜息をつく。
「随分と落ちぶれたものだ。……こちら側の日向一族には、未来は無いかもしれん」
「ちょっ、勝手に決めつけないで!」
「ナルトも……気苦労が絶えないだろうに」
「ふん、ナルト様は火影にかまけて姉様や子供達を蔑ろにするような酷い義兄よっ!」
「───」
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