第三章
[8]前話 [2]次話
「今からな」
「調べるな」
「そうするわ」
こう言ってだ、白は自慢の鼻を活かしての捜査をはじめた。蒲は蒲で獣使いとしてモンスターや獣達を出して捜査を行ったが。
ここでは白の鼻と弓兵の感覚に軍配が上がった、白は蒲を杭州から少し行ったところにある沼地に連れて行った、そこでは十人位の冒険者が水辺のモンスターと戦闘を行っていた。蒲はその状況を見て白に言った。
「この沼は」
「ああ、ギルドの依頼で出てたな」
「モンスターが出てるっていう沼地やな」
「そやな、拙者達もな」
「依頼受けてたしな」
「丁度ええな、そしてな」
白は蒲にさらに言った。
「ここにや」
「妹さんがおるんやな」
「そや」
こう蒲に答えた。
「間違いないわ」
「匂いがか」
「ここにはっきりある、目は誤魔化せてもな」
それでもというのだ。
「鼻はや」
「誤魔化せへんのやな」
「そや」
蒲に強い声で答えた。
「それはな」
「狼人の鼻はやな」
「目よりも遥かに確かや」
「それでどんな匂いもやな」
「嗅ぎ分けられてな」
そしてというのだ。
「見付けられる」
「それでやな」
「そや、それでな」
「この沼地にやな」
「妹さんの、しかも動いてるな」
「その匂いを感じるか」
「間違いないわ」
確信を以てだ、白は蒲に話した。
「それでや」
「これからか」
「そや、探してな」
「ついでに沼地のモンスターも倒す」
「そうするか」
白は自身の神具である覇王弓を構えた、その背中にはもう一つの神具である開天殊がある。その二つの神具の力を使ってだった。
弓を空を飛びつつ放ってモンスター達を倒していった、他の冒険者達と力を合わせつつ。穂もモンスターや獣達を使役し術も使う。そうしてだった。
二人で戦っていた、その中でも白は鼻を使った。そうして一匹の白い蝦蟇を見て蒲に対してこう言った。
「この蝦蟇がな」
「まさか」
「そのまさかや」
こう言うのだった。
「あの娘の匂いがするわ」
「そうか、わかった」
ここでだ、蒲は言った。
「タチの悪い奴がな」
「そや、妹さんを攫ってな」
「蝦蟇に変えてたか」
「そや」
その通りだというのだ。
「それでや」
「ここに置いてたか」
「沼地に蛙がおってもな」
「特にやな」
「誰も何も思わんやろ」
「草原にバッタがおるのと同じや」
蒲もこう言った。
「そやからな」
「わからんやろ」
「相当頭のええ奴がそうしたな」
「しかもタチの悪いな」
「それでや」
白は考える顔でさらに言った。
「多分や」
「妹さんを蝦蟇にしてここに置いた奴は」
「ここにおる」
この沼地にというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ