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魔術師ルー&ヴィー
第二章
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った風ではあるが、ヴィルベルトがそれを受け取ると、マルクアーンもウイツも何故かニコニコとしている。
「ウイツ、頼んだぞ。」
「任せておけ。良いものを見つけるよ。」
 ウイツがそう返事をするや、ルーファスはニッと笑って荷を持ってマルクアーンと宿へと入って行ったのであった。
 何だか腑に落ちないヴィルベルトであったが、仕方無くウイツと買い出しに行くことにした。
 二人は街中で暫くは店を回っていたが、ふとウイツがヴィルベルトへと言った。
「ヴィルベルト君、ルーファスは何もボロだから買い換えろ…と言った訳じゃないんだ。」
「でも…」
「愛着があるのは分かるけど、外套を交換するのには別の理由があるんだよ。」
「別の理由…?」
 ウイツにそう言われ、ヴィルベルトは歩きながらその理由とやらを考えてみた。だが、彼には今一つ分からなかった。
 首を傾げるヴィルベルトを見て、ウイツはそろそろ自分も弟子を取っても良いかな…と考えた。まるで弟のようで、こういうのも良いかも知れないと思えたからである。
「さて、ここに寄ってみようか。」
 ウイツはそう言うとヴィルベルトを連れ、些か狭い入り口からその店へと入った。
 そこは魔術師専門の店で、様々な魔術道具が所狭しと置かれていた。
「すまないが、この子に合う外套はないかな?」
 ウイツは入って早々、店の主人らしき人物にそう声を掛けたため、ヴィルベルトは目を丸くした。こんな所で外套を買うとは考えていなかったのである。
 暫くすると、店の主人は幾つかの外套を二人の前へ持ってきてくれた。ウイツはそれを一つ一つ手にして丹念に見て、ヴィルベルトの背丈と合わせて一つに決めた。
「これなら背丈も丁度良いかな…ま、多少大きいが、まだ背も伸びるからね。裏地も良い物で作られてるな…っと。ご主人、これはいくらかな?」
「6ゴルテ8シヴルに御座います。」
 その値段を聞き、ヴィルベルトの目玉は飛び出さんばかりである。
 外套は高いは高いが…精々が2シヴルから6シヴル辺りが相場である。特注したとしても10シヴルもしない。が…ウイツが選んだ外套は6ゴルテ8シヴル…金貨六枚に銀貨八枚だと言うのだ。
「ウイツさん…僕、こんな外套見たことありません…。高価すぎて着れませんよ…。」
 ヴィルベルトはすっかり尻込みしてしまっているが、ウイツはそんなヴィルベルトに事もなげに言った。
「そうかい?今着ている私の外套は7ゴルテ3シヴルだよ?因みに、ルーファスのは9ゴルテ7シヴルだし、コアイギス師に至っては18ゴルテだと聞いているよ。」
「?????!!」
 呆気にとられる…とは良く言ったもので、ヴィルベルトもまた口をポカンと開けて絶句している。
 そんな彼を苦笑混じりに見て、ウイツはその理由を明かした。
「これは通常の外套では
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