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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica39-B堕ちた騎士〜Reiter Paladin〜
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体を誇るブネは、回避を選択せずに直撃を受け入れた。ワイバーンのブレスは強固な鱗に弾かれるけど、その衝撃はラッヘンマン卿にも届いて・・・はいる。

「やっぱり鎧の重さもあって吹っ飛ばせないか・・・!」

『何が公爵級だよ! 爵位なんか・・・爵位なんか・・・飾りだってことを、僕が教えてやるんだからな!』

「そうだね。じゃあ、少しだけ独りで頑張って」

『ほえ?』

ワイバーンの頭をポンポン優しく叩いた後、私はラッヘンマン卿と同じ舞台――ブネの背中へと飛び降りる。頭上のワイバーンから『どえええ!? 主!? 主ー!』驚きの声が届く。

「好きなように闘って! こっちはこっちで、あなたとブネの闘いに合わせて動くから!」

『ああもう! リっちゃんの馬鹿ぁぁー! いいよ、じゃあ僕の雄姿をしっかりと見ていてよ!』

ワイバーンはフンッて鼻を鳴らしながらブネから距離を取って、その機動力を活かして周囲を翔け回りながら・・・

『でぇぇぇーーーーい!!』

――ブラオ・インフェルノ――

青い炎の拡散砲を吐いて、ブネの胴体に攻撃を加えてく。けどほとんど鱗で弾かれてる。ブネは何度も炎を吐かれながらもその偉容を崩さず、結界内上空をただ円を描くように翔け続ける。

「クラリス。君の下僕に、僕の芸術品(ブネ)に攻撃するのを止めるよう言ってくれないか? あの程度の火力ではブネには傷1つ付かないだろうが、鱗に万一焦げついてしまっては笑えない」

「わざわざ私たちをここに来るように仕向けて、こうして襲撃してきたお前の、そんな甘い言葉に私が頷くと思う?」

「言ってみただけさ」

方天戟型アームドデバイス・“シュトルムシュタール”の柄を両手で握って、ラッヘンマン卿と向かい合う。そしたら彼・・・ううん、アイツは“シュレッケン”を突き出してきた。決闘前の挨拶のようなもので、私は“シュトルムシュタール”の2つある三日月形の刃――月牙の片方を“シュレッケン”にカツンと当てる。

「今さら騎士面? 騎士として振舞うなら自首してどうぞ」

「受けておきながらその言い草。僕は自分に正直なだけだよ・・・!」

名乗り合いをすっ飛ばしてのいきなりの刺突攻撃。魔力付加も無く魔法でもない単純な物理攻撃だけど、懐に入られてるのがまずい。首を右に逸らしながら“シュトルムシュタール”を左へ向かって払う。そうすることでラッヘンマンの“シュレッケン”を持つ右腕が外側に向かって弾くことが出来る。

「っつ・・・!」

油断はしてなかったつもりだけど、反応に一拍遅れたことで“シュレッケン”の刃先が私の頬を浅く斬り裂くのを許した。本当にもう、騎士としての誇りを捨てたなら、これまでの特訓の成果を全部吐き出してぶっ倒す。

「おおおおおおお!」

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