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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica39-A堕ちた騎士〜Schlagen Paladin〜
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・というよりは、私がそっくりなのでしょうね」

私の学生時代と変わらない姿をした少女が、イリスやクラリスと瓜二つの女性と話をしていました。おそらくここは魔術師時代。そしてあの女性たちが私たちの先祖であり前世。私の前世と思しき少女は、様々な武器を手に襲い掛かってくる者たちへ向かって「種・・・?」らしき物をばら撒きました。

「指揮棒?のようなものが武器なのでしょうか・・・」

少女が指揮棒・・・というよりは(タクト)のようなものを振りますと、地面に落ちた種が血溜まりを勢いよく吸収し、ものすごい勢いで極太の赤黒い蔦や、巨大なハエトリソウ、蔦の付いたサボテンなど、見たこともない植物が生えてきました。そこから先は一方的な蹂躙です。蔦で薙ぎ払われ、ハエトリソウに丸呑みにされ、サボテンで全身に穴を開けられ、それはもう酷い光景でした。

「これがアルファリオの魔術・・・」

攻撃の魔術は殺すことを前提とした効果ばかりだと伺ってはいたけれど、こうして実際に目の当たりにすれば想像以上に凄惨なものでした。少女はイリス達の前世と分かれ、複数人を引き連れて戦場を駆け巡りました。私もそれに付いて回ったのですが、ある時ふと、「あれ?」と違和感に気付いた。

「解かる・・・。少女の魔術の術式が・・・!」

どうすれば発動できるかなどの知識が頭の中に入り込んできた。その日の戦闘は終わりを向かえたようで、少女はイリス達の前世と合流を果たして、共に無事だったことを確認できたのを喜び合うようにハグしました。

「こんな昔から、私たちは繋がりがあったのですね」

そんなことを思っていると、フワリと浮遊感が襲ってきました。そして視界がぼやけ始め、完全に閉ざされた。

「・・・ジェ、アン・・・、アンジェ、アンジェ!」

「っ!」

ハッとして目を開ければそこはフライハイト邸でした。私とトリシュとクラリスははロングソファの上に寝かされており、2人は未だに眠っているようです。私は名前を呼んでくれていたイリス達に応えるべく上半身を起こそうとしましたが「ぅあ・・・?」倦怠感で上手く起こせなかった。

「今しばらくはそのまま休んでいた方が良い。・・・アンジェ、アルファリオ家の魔術は理解できたか?」

ルシルさんの問いに「はい」と答えると、ルシルさんは私が魔術師化できるようになったことを教えてくれました。確かに先ほどまでとは体内で渦巻く魔力の質が変わったような気がする。あとは魔術師化のONとOFFの切り替えの練習をしようとのことです。

「アンジェ。念のためにコレを渡して置くよ」

ルシルさんが私に手渡してくれたのは1粒の種でした。

・―・―・終わりです・―・―・

今朝早くより練習していた切り替えを行い、魔力に神秘を付加することに成功
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