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穢された霊山
第二章
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 ギルドの事務所に依頼を受けると言って呉と共に山に向かった、だが今回の依頼で山に入るのは二人だけではなかった。
 年老いた山羊人の医師もだ、こう言って二人に同行した。名前を黄球仁といった。
「わしも行かせてくれ」
「ご老人もですか」
「うむ、不埒にも泰山を根城にしたという山賊達の頭目はな」
 その者はというのだ。
「噂ではわしの知り合いでのう」
「そういえば頭目は山羊人だとか」
 巴はギルドで聞いた話を聞いて述べた。
「それでは」
「わしの親戚ではないが」
 それでもというのだ。
「古い知り合いかも知れん」
「そう思われてですか」
「今から行ってな」
「その頭目をですか」
「何とか止めさせたい」
 こう言ってだった、この医師も同行した。二人は彼と共に村を出て山に向かった。山に行くまではモンスターが時折出る程度だったが。
 山に入るとすぐに結構な数の山賊達が出て来た、だが星の者達である巴と呉はその彼等を遭遇する為に瞬時に倒していった。そして。
 二人の戦いぶりを見てだった、医師は驚嘆して言った。
「これはまた」
「強いとですか」
「こんな強い人達ははじめて見た」 
 こう言うのだった。
「まことにな」
「そう言って頂けるとは」
「あんた達はまだ若いが」
 医師は二人の素性を知らない、旅の冒険者とばかり思って言う。
「相当な修羅場を潜っておるか、使う術の種類も威力も凄いしのう」
「まあ色々とありまして」
 巴は鳥人の顔で医師に答えた。
「それで、です」
「強いのか」
「はい」
 そうだと答えるのだった。
「そうなったかと」
「多くの冒険を経てきたということじゃな」 
 医師は巴の言葉をこう解釈した。
「そういうことか」
「そう思って頂けるなら」
 いいとだ、巴は述べた。
「その様に」
「ではのう」
「はい、では山賊達を」
「全員じゃな」
「成敗して」
 そしてというのだ。
「後で警察か軍隊に連絡をしてです」
「捕まえるのじゃな」
「これだけの規模ですと軍隊ですね」
 捕まえるのはというのだ。
「流石に」
「そうなるのう」
「ではことが終わった後で」
「軍隊に話をしてな」
「ことを終わらせましょう」
「そうしよな」
 呉も言ってきた、そしてだった。
 二人は医師と共に山の中を進み山賊達を倒しかつ彼等から情報を聞き出しながら隠れ家も潰していった、その結果だった。
 山賊の頭があるものを探しているのがわかった、それは泰山の神の力宿った石で。
「その石を手に入れることが出来れば」
「絶大な権力を手に入れられる、か」
「この山は天子の山ですし」
「それがわかるな」
 呉は巴のその言葉に頷いた、今は夜で野宿の前に火を囲んで話をしている。医師もいて三
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