第五章
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男は取り調べられたが明らかに精神に異常をきたしていた、それで裁判の結果懲役と共に精神病院で治療を受けさせた。その結果何とか狂気から解放されてそうして開封の街で劇作家になり一応生きていけた。
ことの次第は終わった、だが開封で最も重要だった水門が閉じられた悪影響は景気だけでなく水深が下がったことでこれまで黄河の中に眠っていた無支奇という大型の猿型のモンスター達が多く出てだった。
暴れだそうとしていたので二人はそのモンスター達も倒してことの処理を進めることもした。その無支奇達も倒した後でだった。
呉は巴と共に開封の中でも美味いことで知られている店に入ってだった。
開封名物の鯉の刺身に丸ごと揚げてそこにあんをかけて香辛料で味付けをしたものに麺や餅、そして八宝菜やチンジャオロース等を頼んでだった。
桂花陳酒で楽しく飲み食いをした、その時にだった。
呉の手にあるものが宿った、それはというと」
「抱朴子や」
「仙術の書ですね」
巴は彼が手に持っている書の名前を言ったところで頷いた。
「その書がですか」
「私の新しい神具や」
「そうなのですね」
「今心の中で言われてる」
心の中に語り掛けてくる声にというのだ。
「そうなってるわ」
「それは何よりですね」
「むしろおかしくなった奴よりもな」
鯉の揚げたものを食べつつだ、呉は言った。
「むしろな」
「後の無支奇が何十と出た方が」
「厄介やったけれどな」
「巨人程ではないですが強いモンスターですからね」
巴は餅を食べつつ述べた、麦を練って丸めたものを焼いた中国の餅である。米の餅とはまた違うものだ。
「あれを何十体は」
「結構なものやったな」
「まことに」
こう呉に述べた。
「ですがその介がありましたね」
「ほんまにな、それにな」
呉は今度は桂花陳酒を一杯飲んでから述べた。
「神託を乗り越えてな」
「それで、ですね」
「全体的に一回り強くなった」
自分自身もというのだ。
「そうなったわ」
「それは何よりですね」
「ほなこれ食べて」
鯉料理に餅にチンジャオロース等をというのだ。
「最後の甘いものはごま団子食べて」
「そうしてですね」
「そのうえでな」
巴に確かな声で言うのだった。
「次の場所に行こうな」
「そうしますね」
「私達のやることは究極にはな」
「神託を適えることではないですからね」
「神託は通過点や」
こう巴に言った。
「究極の目的はな」
「この世界を救う」
「そやからな」
「世界を救う為に」
「そや、次のところに行こうな」
自身の神託を適えた呉は満面の笑みだった、だがそれで終わりとは思っていなかった。それが声にも出ていた。
彼は次に行くべき場所のことも既にわかっていた、それでも
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