第7章:神界大戦
第202話「開戦」
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雪へ男の攻撃が叩き込まれ―――
「させん」
―――“Aufblitzen”
―――そうになった所を、優輝が斬り飛ばす。
「お、お兄ちゃん……」
「何があった?」
そのまま緋雪を抱え、転移で距離を取る。
そして、何があったのか、優輝は緋雪に尋ねる
「……わからない。でも、飛行が保てない程怠くなって……」
「……力の減衰か」
緋雪の回答に、優輝は先程までの男の力からそう推測する。
「力の減衰……水の刃。……共通するなら、どちらもイメージカラーが青、か」
男の動きが鈍いおかげで、優輝が推測する時間はあった。
その間に、優輝は分析を進める。
「青……青……まさかだと思うが……」
敵の男は、髪の色、瞳の色、服装で基調としている色、全てが青だった。
そして、神界では概念がそのまま神になる事から、優輝は一つの結論に至る。
「“青色”に関するものを操る、のか……?」
「え……?」
それは、色そのものの概念に通じる性質。
神界の神ならば“ありえない”と切って捨てる事が出来ない推論だ。
「ひ、ひひ、その通り。この俺、カエノス様は“青の性質”を持つ……青色が関わっていれば、何でも扱えるぜぇ……?」
「……自分から明かしてくれるなんて、そいつはありがたいな」
名前と性質まで自分で言ってくれた。
手探りだった優輝にとって、非常にありがたい事だ。
そして、同時に警戒も高まる。
「要所要所に倦怠感を与える事で、隙を作る。……おまけに、倦怠感ならば相手の心も折りやすい……厄介な」
「で、でも、倦怠感とか、魔力弾を消されたのは一体……?」
「倦怠感と減衰。どちらも色をイメージするなら、青色だろう?……つまり、そういう事なんだ。神界の神は」
「っ……!?」
イメージカラー。たったそれだけで操れる対象になる。
非常に効果範囲が広く、厄介なものだと緋雪も理解する。
「……他の神も同じようなものだろう」
「じゃあ、他の皆も……」
「苦戦、しているだろうな」
神界における初戦。
その戦いは、優輝達の不利から始まった。
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