暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第202話「開戦」
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 小石は遠くまで飛んだが、それでも見えている八束神社に近づいていなかった。

「そして、“繋がっている”からこそ―――」

 そこまで言って、祈梨は一度深呼吸し……

「―――貴方達の世界の“格”を、神界に合わせて昇華できます」

 刹那、力の奔流が祈梨から放たれる。
 それはまるで嵐のようで、それでいて優輝達を打ちのめす事はなかった。

   ―――“祈祷魂格昇華(きとうこんかくしょうか)

 その奔流は光となり、優輝達を包む。
 それどころか、八束神社側から見える神界へ通ずる穴からも光が漏れ出し、やがて全ての次元世界をも覆いつくした。

「な、なにがどうなって……?」

「少し、辛抱してください。さすがに規模が大きいので……」

 一番最初に光に覆われた優輝達は、体感時間で長い事光に包まれる。
 何も見えない状態なので、何人かが困惑していた。



「っ………完了です」

「うぅ、目がチカチカする……」

 しばらくして、ようやく光が収まる。
 特に光に弱い葵は、若干目をやられてしまったようだ。

「……っ、ふぅ……はぁ……はぁ……これで、貴方達の攻撃が神界の存在にも通用するようになったはずです」

「……大丈夫……?」

 息を切らし、その場に膝を付く祈梨。
 力を使い果たし、戦闘不能になると事前に聞いてはいたが、それでも心配になるため、とこよが思わず尋ねる。

「……ええ。休めば回復します。それよりも、“格”を上げた事による変化は感じられますか?」

「変化って言われても……あれ……?」

 アリシアは特に何ともないと思って、ふと気づいた。

「……なるほど。“格”を上げた事により、理力や気配を感じられるようになったのか。今なら、何も感じなかった力の波動を感じる」

「……うん。全然気配がなかったと思ったけど、そんな事なかったね」

 優輝ととこよが代弁するように言う。
 つい先程まで、優輝達は傍にいる祈梨やソレラの気配も感じなかった。
 しかし、今は二人の気配どころか、神界の方から大きな力をいくつも感じる事が出来た。

「ッ……これ、は……」

「相当、やな……」

「古代ベルカ戦乱時代のようだな……尤も、その規模は桁違いだが」

「ああ。分かっちゃいたが、ここまでとはな……」

 はやてや、戦争経験者のヴォルケンリッターが声を上げる。
 他にも、声に出していないものの、全員が大なり小なり驚いていた。

「……回復次第、私達も後から追いつきます。では、予定通りに動いてください」

「私についてきてください。距離の概念がないので、普通に移動しても意味がないので」

 ソレラがそう言って、皆がその後について行く。

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