第7章:神界大戦
第202話「開戦」
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
小石は遠くまで飛んだが、それでも見えている八束神社に近づいていなかった。
「そして、“繋がっている”からこそ―――」
そこまで言って、祈梨は一度深呼吸し……
「―――貴方達の世界の“格”を、神界に合わせて昇華できます」
刹那、力の奔流が祈梨から放たれる。
それはまるで嵐のようで、それでいて優輝達を打ちのめす事はなかった。
―――“祈祷魂格昇華”
その奔流は光となり、優輝達を包む。
それどころか、八束神社側から見える神界へ通ずる穴からも光が漏れ出し、やがて全ての次元世界をも覆いつくした。
「な、なにがどうなって……?」
「少し、辛抱してください。さすがに規模が大きいので……」
一番最初に光に覆われた優輝達は、体感時間で長い事光に包まれる。
何も見えない状態なので、何人かが困惑していた。
「っ………完了です」
「うぅ、目がチカチカする……」
しばらくして、ようやく光が収まる。
特に光に弱い葵は、若干目をやられてしまったようだ。
「……っ、ふぅ……はぁ……はぁ……これで、貴方達の攻撃が神界の存在にも通用するようになったはずです」
「……大丈夫……?」
息を切らし、その場に膝を付く祈梨。
力を使い果たし、戦闘不能になると事前に聞いてはいたが、それでも心配になるため、とこよが思わず尋ねる。
「……ええ。休めば回復します。それよりも、“格”を上げた事による変化は感じられますか?」
「変化って言われても……あれ……?」
アリシアは特に何ともないと思って、ふと気づいた。
「……なるほど。“格”を上げた事により、理力や気配を感じられるようになったのか。今なら、何も感じなかった力の波動を感じる」
「……うん。全然気配がなかったと思ったけど、そんな事なかったね」
優輝ととこよが代弁するように言う。
つい先程まで、優輝達は傍にいる祈梨やソレラの気配も感じなかった。
しかし、今は二人の気配どころか、神界の方から大きな力をいくつも感じる事が出来た。
「ッ……これ、は……」
「相当、やな……」
「古代ベルカ戦乱時代のようだな……尤も、その規模は桁違いだが」
「ああ。分かっちゃいたが、ここまでとはな……」
はやてや、戦争経験者のヴォルケンリッターが声を上げる。
他にも、声に出していないものの、全員が大なり小なり驚いていた。
「……回復次第、私達も後から追いつきます。では、予定通りに動いてください」
「私についてきてください。距離の概念がないので、普通に移動しても意味がないので」
ソレラがそう言って、皆がその後について行く。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ