第7章:神界大戦
第202話「開戦」
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八束神社。
そこに、神界に臨む者達が集まっていた。
「……準備は、よろしいですか?」
「……ああ」
前に立つ祈梨が全員に尋ね、優輝が代表して答える。
「今一度、確認しておきます。神界への道を確保すると同時に、私が皆さんの“格”を昇華、攻撃を通じるように力を行使します。同時に私は一時的に戦闘不可になりますので、護衛を残してソレラさんの案内の元、攻め込む……よろしいですね?」
「はい……!」
神界の存在には、他世界の者の攻撃は通じない。
それを例外的に通用するように、祈梨は力を行使する。
しかし、その力の行使も規模が大きく、神界の神といえど、力を使い果たしてしまう。
その時、祈梨は無防備になる。それを守るための護衛も必要なのだ。
「椿と葵……たった二人で大丈夫か?」
「どの道、人数不足よ。守ってばかりじゃ勝てないのだから、同じよ」
「……そうか」
戦力としては不安に変わりない。
だが、それでも最低限は割かなければならなかった。
「いや、私達も残らせてもらおう」
「鞍馬ちゃん?」
そこへ、鞍馬を中心とした式姫達が残ると言い出した。
その事に僅かながら驚きを見せるとこよ。
「悔しいが、私達では強さが及ばない。まだ伸びしろがあるとはいえ、攻め手としては足手纏いになるだろう。ならば、ここで防衛に徹する方が向いている」
「……そっか。適材適所になるなら……」
鞍馬の言葉に、とこよも納得する。他にも、葉月や那美、久遠も残る事にした。
葉月と那美は鞍馬達と同じ理由で、久遠は那美と共にいた方がいいという判断からだ。
「では……ソレラさん」
「はいっ……!」
祈梨の合図と同時に、ソレラが力を行使する。
刹那、周囲の空間が歪むように“何か”が切り替わり……
「っ……!」
……直後には別の場所に移動していた。
「着きました。ここが神界への入口です」
「ここが……」
そこは、言葉や文字では表現が難しい空間だった。
宇宙のような、それでいて真っ白のような。
全く違う表現が混ざり合ったような……そんな空間だ。
「あっ、あそこ……」
「もしかして……八束神社?」
振り返ると、遠くの方に神社が見えた。
そこだけは、普通の境内と同じ様子だった。
「はい。今、神界と八束神社を“繋げて”います。尤も、目に見えている距離はまやかしに過ぎません。そもそも、あそことの“距離の概念”がありませんから」
「……なるほどな」
祈梨が軽く解説し、優輝が確かめるために適当に創造した小石を投擲する。
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