暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第118話:Final Battle
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のシグマとの戦いによって地球上にばら撒かれた莫大なシグマウィルスとコロニー内部にあるシグマウィルスを全て駆除する唯一の手段としてルインはOXアーマーに…誰もが予想していなかった存在…封印されたイレギュラー時代のゼロと同一の存在と1つとなる選択をしたのだ。

元々シグマウィルスはロボット破壊プログラムから派生した代物であり、そのロボット破壊プログラムを持つOXアーマーの潜在能力を全て開放してしまえばそれをそっくりそのまま支配下に置くことは実に容易い。

しかし、イレギュラー時代のゼロと同一の存在になることはルインのイレギュラー化を意味しており、しかも自身とゼロの戦闘センスを併せ持ち、本来のゼロ以上の怪物と成り果ててしまったのは想定外だったが。

だがルインは自分がイレギュラーと化した後、エックスとゼロが倒してくれることを確信していた。

相当な葛藤に苦しませてしまうことには罪悪感は覚えたけれど、エックス達はそんなルインの期待に見事に応えたと言えるだろう。
 
「君は本当に無茶をする。俺達もだけどエイリア達がどれ程悲しんだのか分かるのか?」

「あ、はは…ごめん、ね…」

ルインから直接真意を語られた訳ではないが、しかし戦っているうちにエックスとゼロは理解していた。

一見凶悪なイレギュラーと化していたように思えていたルインの中に彼らの良く知るルインが確実に息づいていた事を。

そうでなければエックスとゼロはここに辿り着く前に確実に殺されていただろう。

オメガやシグマとの戦いの後に必ず回復をすることを初め、ルインがその気になればエックスとゼロを殺せる機会などいくらでもあった。

「正直、ゼロを助け…られたのは…本当にラッキーだったと、思…う、よ」

「…………」

ルインの言葉にゼロはクリスタル部分が割れたヘッドパーツに触れた。

ルインのロボット破壊プログラムによってイレギュラーの人格とロボット破壊プログラムが破壊されたことにより、ゼロの人格が主人格となったことで感覚的にだが、今までとは違う解放感を感じていた。

ゼロは助けに来たつもりなのに逆に色々と助けられてしまったことに溜め息を吐く。

「戦いは…終わったんだ…シグマも完全に消滅した…もう…こんな悲劇は起こらない……」

浅い呼吸を繰り返すルインの体を抱き締めると、今まで抑えていた涙を流すエックス。

こんなに泣くのは久しぶりだった。

それを見たルインは苦しげに微笑みながら涙を拭ってやった。

「全く…正直、奇妙な戦いの連続だったな。こんなのはもう勘弁して欲しいもんだ」

オメガやイレギュラー化したルインと、自分と同じ反応や気配を持つ相手と戦ううちに溜まっていた本音をぶちまけるゼロ。

「さあ、後はここから脱出する
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