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レーヴァティン
第百話 北部統一その二
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「要するにね」
「秀吉さんも凄い攻め方考えたな」
「小田原城は天下の堅城だったわ」
 その時文字通り難攻不落と呼ばれていた。
「町全体を堀と城壁で囲んでいてね」
「日本以外の国の城と同じだな」
「そう、城塞都市だったのよ」
 日本ではこうした城は惣構えと呼ばれる。
「言うならね」
「それだけに堅固でか」
「武田信玄も上杉謙信も攻め落とせなかったのよ」
「あの二人でもか」
「そうだったのよ」
 戦国時代を代表する名将だった彼等でもだ、小田原城まで来て囲みはしたがそれでも攻め落とすことは出来なかったのだ。
「それだけの堅城だったけれど」
「そのお城をか」
「秀吉さんは攻め落とさずにね」
「心理作戦で攻めたんだな」
「そう、城を護る人達をね」
「その心をか」
「そのうえで攻略したけれど」
 清音はワインを飲む久志に話した。
「私もね」
「今回はか」
「どうかって考えたけれど」
「効果があるか」
「あればいいわね、ただね」
「囲むだけでなくてか」
「それだけでは何でもないから」
 時間の無駄、それに過ぎないからだというのだ。
「それでよ」
「ここはか」
「どうかって貴方に言ってみたけれど」
「効果があればいいな」
「そうね、私もそう願ってるわ」
「じゃあ俺達がこうして飲み食いしてるのもな」
「見えてるわよ」
 ヴェネツィアの方からだというのだ。
「しっかりとね」
「そうなんだな」
「陣中の中で敵から望遠鏡でよく見える場所だから」
 それ故にというのだ。
「相手もね」
「よく見てるか」
「そうだと思うわ」
「じゃあよく見せてやるんだな」
「今の私達をね」
「なら思う存分食べて飲んでね」
 夕子は言いつつ実際に飲んで食べている、トマトとガーリックをよく利かせたフェットチーネを美味そうに食べている。
「その姿をね」
「見せてやるか」
「囲まれている敵にね」
「それで嫌な思いをさせるんだな」
「私達の余裕も見せてね」 
 こう言ってだった、夕子は今度は赤ワインを飲んだ。そのうえで久志に対してこんなことも言ったのだった。
「今回私の獣部隊は出番がなかったわね」
「ああ、北部の戦いだとな」
「南部ではもっとね」
「使っていくか」
「獣は獣で強いわよ」
「そうなんだよな」
「だから一緒にね」
 人間の軍勢と共にというのだ。
「使っていってね」
「そうしていくか」
「それじゃあね、そのことはね」
「ああ、わかったぜ」
「それじゃあね」
 夕子は久志に笑顔で言葉を返した、そしてだった。
 またワインを飲んでこうも言った。
「今日のデザートは何だったかしら」
「ジェラートだよ」
「それなのね」
「あ、バニラもチョコレートもあるぜ」
「ストロ
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